2022年12月23日、第一三共株式会社と米Gilead社の子会社である米Kite社は、CD19を標的としたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であるイエスカルタ点滴静注(一般名:アキシカブタゲン シロルユーセル、以下イエスカルタ)について、「再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」を適応症とする一部変更承認を12月20日に取得したと発表した。
CAR-T細胞療法は、患者からT細胞を体外に取り出し、キメラ抗原受容体を発現するように操作した後、患者の体内に戻すことで、がん細胞を認識し、自己の免疫システムを利用して破壊する。患者ごとに製造され、投与は1回のみである。
今回の承認取得は、海外第3相ZUMA-7試験の結果に基づくもの。同試験は再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫患者に対して二次治療としてイエスカルタを投与した際の有効性と安全性を評価した。同試験の結果に基づき、2022年4月に適応拡大申請を行っていた。
両社はプレスリリースにて「再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の二次治療における新たな選択肢を提供することで、より多くの患者さんに貢献してまいります」と述べている。
なお、今回の承認の適応症である大細胞型B細胞リンパ腫には、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、形質転換濾胞性リンパ腫(TFL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBCL)が含まれる。
イエスカルタ(一般名:アキシカブタゲン シロルユーセル)とは
イエスカルタは、細胞膜タンパク質の1つであるCD19を標的としたCAR-T細胞療法である。国内においては、2021年1月に再発/難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の治療薬として承認を取得している。その際に投与条件であった「自家造血幹細胞移植に適応がある患者であって、初発の患者では化学療法を2回以上、再発の患者では再発後に化学療法を1回以上施行したが奏効が得られなかった、もしくは自家造血幹細胞移植後に再発した場合、または自家造血幹細胞移植に適応がない患者」という条件が削除された。
参照元:
第一三共株式会社 プレスリリース
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