造血幹細胞移植不適応の新規多発性骨髄腫に対するダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法、複数のサブグループで抗腫瘍効果を示すASH 2022


  • [公開日]2022.12.22
  • [最終更新日]2022.12.21
この記事の3つのポイント
・大量化学療法を伴う造血幹細胞移植不適応の新規多発性骨髄腫患者が対象の第3相試験
・ダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法有効性安全性をレナリドミド+デキサメタゾンと比較検証
・75歳以上、ISS ステージIII、腎障害を有するなど、複数のサブグループでPFSORRMRD陰性率を改善した

2022年12月10日~13日、米国ルイジアナ州・ニューオーリンズで開催されたASH 2022 Annual Meetingにて大量化学療法を伴う造血幹細胞移植 (ASCT)不適応の新規多発性骨髄腫患者に対して抗CD38モノクローナル抗体であるダラザレックス(一般名:ダラツムマブ、以下ダラザレックス)+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のMAIA試験(NCT02252172)のサブグループ解析の結果がUniversity Hospital Hôtel-DieuのPhilippe Moreau氏らにより公表された。

MAIA試験は、大量化学療法を伴う造血幹細胞移植 (ASCT)不適応の新規多発性骨髄腫患者(N=737人)に対して28日を1サイクルとして1~2サイクル目は毎週、3~6サイクル目は隔週、7サイクル目以降は4週毎にダラザレックス16mg/kg+1~21日目にレナリドミド25mg+毎週デキサメタゾン40mg併用療法(D-Rd)を実施する群(N=368人)、28日を1サイクルとして1~21日目にレナリドミド25mg+1、8、15、22日目にデキサメタゾン40mg併用療法(Rd)を実施する群(N=369人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、微小残存病変(MRD)陰性率などを比較検証した多施設共同オープンラベルの第3相試験である。

本サブグループ解析が公表された背景として、MAIA試験ではダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法はレナリドミド+デキサメタゾン併用療法に比べて、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間OS)を統計学的有意に改善することが示されている。そこで、臨床的意義のあるサブグループとして75歳以上患者、International Staging System(ISS)ステージIII患者、腎障害を有する患者、髄外性形質細胞腫を有する患者、染色体異常のある患者のステータスを設定し、このような患者に対するダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の737人の患者背景は下記の通りである。75歳以上の患者はダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の160人に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で161人。ISSステージIII患者は107人に対して110人、腎障害のある患者は162人に対して142人、髄外性形質細胞腫を有する患者は15人に対して9人、染色体異常のある患者は48人に対して44人。以上の背景を有する患者に対するフォローアップ期間中央値64.5ヶ月時点における結果は下記の通りである。

無増悪生存期間(PFS)中央値は、75歳以上の患者においてダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の54.3ヶ月に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で31.4ヶ月(HR:0.59、95%信頼区間:0.44-0.79)、ISSステージIIIの患者において42.4ヶ月対24.2ヶ月(HR:0.61、95%信頼区間:0.43-0.86)、腎障害のある患者において56.7ヶ月対29.7ヶ月(HR:0.55、95%信頼区間:0.41-0.75)、髄外性形質細胞腫を有する患者において57.5ヶ月対19.4ヶ月(HR:0.47、95%信頼区間:0.15-1.50)、染色体異常のある患者において45.3ヶ月対29.6ヶ月(HR:0.57、95%信頼区間:0.34-0.96)をそれぞれ示した。

客観的奏効率(ORR)は、75歳以上の患者においてダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の90.0%に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で81.4%(ORR:2.06、95%信頼区間:1.07-3.95)、ISSステージIIIの患者において86.9%対78.2%(ORR:1.85、95%信頼区間:0.90-3.81)、腎障害のある患者において90.1%対78.9%(ORR:2.44、95%信頼区間:1.27-4.70)、髄外性形質細胞腫を有する患者において86.7%対33.3%(ORR:13.00、95%信頼区間:1.70-99.37)、染色体異常のある患者において91.7%対75.0%(HR:3.67、95%信頼区間:1.07-12.55)をそれぞれ示した。

微小残存病変(MRD)陰性率は、75歳以上の患者においてダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の26.9%に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で9.9%(P<0.0001)、ISSステージIIIの患者において27.1%対10.9%(P=0.0030)、腎障害のある患者において29.6%対7.7%(P<0.0001)、髄外性形質細胞腫を有する患者において33.3%対0%(P=0.1181)、染色体異常のある患者において25.0%対2.3%(P=0.0019)を示した。

グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TEAE)発症率は、ダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の95.5%に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で95.0%、20%以上の患者で確認されたグレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)は、好中球減少症がダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の62.4%に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で41.5%、リンパ球減少症が21.0%対12.6%、貧血が20.4%対25.2%、肺炎が20.4%対14.5%であった。重篤な治療関連有害事象(TEAE)は、ダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用群の80.9%に対してレナリドミド+デキサメタゾン併用群で79.2%、治療関連有害事象(TEAE)による治療中止率は15.3%対27.7%、治療関連有害事象(TRAE)に伴う死亡率は11.5%対13.2%であった。

以上のMAIA試験のサブグループ解析の結果よりPhilippe Moreau氏らは「大量化学療法を伴う造血幹細胞移植(ASCT)不適応の新規多発性骨髄腫患者に対する抗CD38モノクローナル抗体ダラザレックス+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法は、臨床的重要なサブグループである75歳以上患者、International Staging System(ISS)ステージIII患者、腎障害を有する患者、髄外性形質細胞腫を有する患者、染色体異常のある患者に対しても無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、微小残存病変(MRD)陰性率をレナリドミド+デキサメタゾン併用療法よりも改善しました」

Daratumumab Plus Lenalidomide and Dexamethasone (D-Rd) Versus Lenalidomide and Dexamethasone (Rd) in Transplant-Ineligible Patients (Pts) with Newly Diagnosed Multiple Myeloma (NDMM): Clinical Assessment of Key Subgroups of the Phase 3 Maia Study(64th ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 3245)

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