再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する抗CD20/CD3特異性抗体であるGlofitamab単剤療法、完全寛解率39%を示すThe New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2022.12.21
  • [最終更新日]2022.12.21
この記事の3つのポイント
再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者が対象の第1/2相試験
・抗CD20/CD3特異性抗体Glofitamab単剤療法有効性安全性を検証
・完全寛解率は39%であり、完全寛解までの達成日数は42日間であった

2022年12月11日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対する抗CD20/CD3特異性抗体であるGlofitamab(グロフィタマブ:RO7082859)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT03075696)における第2相試験の結果がPeter MacCallum Cancer Centre in MelbourneのMichael J. Dickinson氏らにより公表された。

本試験は、再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者(N=154人)に対してGlofitamab(RO7082859)単剤を投与し、主要評価項目として独立審査委員会(IRC)評価による完全寛解率(CR)、重要な副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、全生存期間OS)、安全性などを検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は予後不良である。以上の背景より、抗CD20/CD3特異性抗体であるGlofitamab(RO7082859)の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値12.6ヶ月時点における結果、主要評価項目である独立審査委員会(IRC)評価による完全寛解率(CR)は39%(95%信頼区間:32-48%)を示した。なお、前治療としてキメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T療法)を受けた患者(N=52人)においても完全奏効率(CR)は35%と一貫した効果が確認されている。完全寛解率(CR)達成までの期間は治療開始日より42日間(95%信頼区間:42-44日)、12ヶ月無増悪生存率PFS)は37%(95%信頼区間:28-46%)を示した。

一方の安全性として、Glofitamab(RO7082859)を原因とした治療中止率は9%、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)はサイトカイン放出症候群CRS)発症率が63%、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は62%、グレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)発症率は4%、グレード3以上の神経障害発症率は3%であった。

以上の第2相試験の結果よりMichael J. Dickinson氏らは「再発/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対する抗CD20/CD3特異性抗体であるGlofitamab(RO7082859)単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示しました。一方、グレード3以上の有害事象(AE)は半数以上の患者さんで確認されました」と結論を述べている。

Glofitamab for Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma(N Engl J Med. 2022 Dec 11. doi: 10.1056/NEJMoa2206913.)

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