11月24日、第一三共株式会社は、HER2を標的とした抗体薬物複合体(ADC)であるエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン、以下エンハーツ)について、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能または再発乳がん」の治療薬として適応拡大承認を取得したと発表した。
エンハーツの乳がんに対する適応は、これまで「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」であった。今回の適応拡大承認により「(標準的な治療が困難な場合に限る)」が削除された。
今回の承認は、第3相DESTINY-Breast03試験の結果に基づくもの。同試験は、HER2陽性の再発/転移性乳がん患者への二次治療を対象としたグローバル試験である。
「前治療歴のあるHER2陽性の再発転移性乳がんに対するエンハーツ単剤療法、無増悪生存期間を延長」
第一三共はリリースにて、「HER2陽性の手術不能または再発乳がんの二次治療における新たな選択肢を提供することで、国内のより多くの乳がん患者さんに貢献してまいります」と述べている。
抗体薬物複合体(ADC)とは 抗体と薬物(低分子化合物)を結合させた薬剤。がん細胞の表面に発現している標的因子に結合する抗体を介して、がん細胞に直接薬物が届くことでがん細胞への攻撃力は高めて薬剤による全身曝露を抑える効果がある。
参照元: 第一三共株式会社 プレスリリース