この記事の3つのポイント
・ハイリスクホジキンリンパ腫小児患者が対象の第3相試験
・一次治療としてアドセトリス+ドキソルビシン+ビンクリスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用療法の有効性・安全性を標準治療と比較検証
・3年無イベント生存率は92.1%であり、標準治療に対して統計学的有意に延長を示した
11月3日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてハイリスクホジキンリンパ腫小児患者に対するファーストライン治療として抗CD30抗体薬物複合体アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下アドセトリス)+ドキソルビシン+ビンクリスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相試験(NCT02166463)の結果がChildren's Healthcare of AtlantaのSharon M. Castellino氏らにより公表された。
本試験は、ハイリスクホジキンリンパ腫小児患者(N=587人)に対するファーストライン治療として、21日を1サイクルとしてアドセトリス+ドキソルビシン+ビンブラスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用療法を実施する群、もしくは標準治療(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンクリスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド)を実施する群に振り分け、主要評価項目として無イベント生存期間(EFS:病勢進行、再発、二次がん、死亡までの期間として定義)、副次評価項目として安全性、全生存期間(OS)を比較検証したオープンラベル多施設共同の第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値42.1ヶ月時点における結果、3年無イベント生存率(EFS)は、アドセトリス+ドキソルビシン+ビンブラスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用群の92.1%(95%信頼区間:88.4-94.7%)に対して標準治療群で82.5%(95%信頼区間:77.4-86.5%)と、アドセトリス+ドキソルビシン+ビンブラスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用群でイベント(EFS)のリスクを59%統計学的有意に減少(HR:0.41、95%信頼区間:0.25-0.67、P<0.001)した。
副次評価項目である3年全生存率(OS)は、アドセトリス+ドキソルビシン+ビンブラスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用群の99.3%(95%信頼区間:97.3-99.8%)に対して標準治療群で98.5%(95%信頼区間:96.0-99.4%)を示した。
以上の第3相試験の結果よりSharon M. Castellino氏らは「ハイリスクホジキンリンパ腫小児患者に対するファーストライン治療として抗CD30抗体薬物複合体アドセトリス+ドキソルビシン+ビンクリスチン+エトポシド+プレドニゾン+シクロホスファミド併用療法は、標準治療に比べてイベント(EFS)のリスクを59%統計学的有意に減少しました」と結論を述べている。
Brentuximab Vedotin with Chemotherapy in Pediatric High-Risk Hodgkin's Lymphoma(N Engl J Med. 2022 Nov 3;387(18):1649-1660. doi: 10.1056/NEJMoa2206660.)あなたは医師ですか。