目次
- 1 報告品目
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10月31日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催され、審議項目はなく、報告事項※として4製品が報告された。内訳はすべてがん関連であった。
※報告事項:医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階において、承認して差し支えないとされ、部会では審議せず報告のみでいいと判断されたもの。
報告品目
エンハーツ点滴静注用100mg(一般名:トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え))
効能・効果: 化学療法歴のあるHER2陽性手術不能または再発乳がん 申請企業:第一三共
抗HER2抗体と化学療法剤を持つ抗体薬物複合体(ADC)。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、がん細胞への攻撃を高めながらも薬剤の全身曝露を抑える。
これまで適応症として記載されていた「標準的な治療が困難な場合に限る」という文言が外れる。これによりセカンドライン以降のどのタイミングでも使用が可能となった。
アドリアシン注用10、同50(一般名:ドキソルビシン塩酸塩)
効能・効果:乳がん(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法) 申請企業:サンドファーマ
アントラサイクリン系の抗悪性腫瘍性抗生物質。腫瘍細胞のDNAとRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果を示す。
現在、上記適応症に対してエンドキサンを併用しての使用が可能であり、その場合、28日を1サイクルとして1日目に40mg/m2、8日目に30mg/m2を静脈内投与し、その後20日間休薬するとされていた。今回休薬期間に13日間が追加される。
注射用エンドキサン100mg、同500mg(一般名:シクロホスファミド水和物)
効能・効果:乳がん(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法) 申請企業:塩野義製薬
アルキル化剤と呼ばれる殺細胞性抗がん剤。細胞のDNA合成を阻害することで、がん細胞の増殖を防ぐ。
現在、上記適応症に対して、21日を1サイクルとして1日1回600mg/m2を静脈内投与し、その後20日間休薬するとされていた。今回休薬期間に13日間が追加される。
ティーエスワン配合カプセルT20、同T25、同配合顆粒T20、同T25、同配合OD上T20、同T25(一般名:テフガール・ギメラシル・オテラシルカリウム)/エスワンタイホウ配合OD錠T20、同T25(一般名:テフガール・ギメラシル・オテラシルカリウム)
効能・効果:ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法 申請企業:大鵬薬品/岡山大鵬薬
世界中で広く使われているフルオロウラシルという抗がん剤の効果を高め、副作用を抑えるために開発されたフッ化ピリミジン系の殺細胞性抗がん剤。今回の申請はPOTENT試験という医師主導治験ならびに先進医療Bでの治療提供の結果に基づくもの。5年間の内分泌療法と比較して抗腫瘍効果を示した。なお、エスワンタイホウはTS-1のオーソライズド・ジェネリック(AG)。
参照元:厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)