FLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病の一次治療を対象としたキザルチニブの販売承認申請をFDAが受理ー第一三共ー


  • [公開日]2022.10.31
  • [最終更新日]2022.10.31

10月25日、第一三共株式会社は、FTL3阻害剤であるキザルチニブについて、「FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病(AML)」の一次治療を対象とした販売承認申請が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表した。

AMLは、骨髄において白血病細胞が異常に増殖することで、正常な血液細胞の生成が阻害される血液疾患。白血病の約23%がAMLと報告されている。FLT3-ITD変異は、AMLの中でも比較的発現頻度の高い遺伝子変異であり、AML患者の約4分の1がFLT3-ITD変異を有する。AMLは未治療の場合、短期間で病勢進行する予後不良な疾患であるが、FLT3-ITD変異を有する場合は再発率が高く、生存期間が短いと考えられている。

今回の申請は、第3相QuANTUM-First試験の結果に基づくもの。同試験では、FLT3-ITD変異を有するAML患者を対象(N=539人)に一次治療としてキザルチニブ+標準化学療法を投与する群とプラセボ+標準化学療法を投与する群に振り分け、有効性安全性を比較検証した。その結果、全生存期間OS)はキザルチニブ+標準化学療法で31.9ヶ月を示し、プラセボ+標準化学療法群の15.1ヶ月に対して、死亡リスクを22.4%減少した。
(参考:第一三共株式会社 2022年6月13日プレスリリース

第一三共は、プレスリリースにて「米国のAML患者さんへFLT3-ITD変異を有するAML治療における新たな選択肢を提供できるよう、努めてまいります」と述べている。

なお、キザルチニブは、FLT3-ITD変異を有するAML患者への一次治療としてファストトラック指定、AMLを対象としてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けており、今回販売承認申請の受理に際して優先審査の指定を受けた。これにより審査期間はの短縮が見込まれる(通常10か月目標のところ6か月目標)。

キザルチニブとは
キザルチニブは経口タイプのFLT3阻害剤。日本国内においては「再発または難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」を適応症としてヴァンフリタという商品名で、2019年10月より販売されている。

参照元:
第一三共株式会社 プレスリリース

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