• 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

転移性去勢抵抗性前立腺がんに対するリムパーザ+セジラニブ併用療法、画像診断に基づく病勢進行または死亡を統計学有意に改善

[公開日] 2022.10.26[最終更新日] 2022.10.26

この記事の3つのポイント ・転移性去勢抵抗性前立腺がん患者が対象の第2相試験 ・リムパーザ+セジラニブ併用療法の有効性・安全性をリムパーザ単剤療法と比較検証 ・全患者群における無増悪生存期間はリムパーザ+セジラニブ併用群で8.5ヶ月を示し、  リムパーザ単剤群(4.0ヶ月)に対して統計学的有意な改善を認めた

10月18日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)患者に対するPARP阻害薬であるリムパーザ(一般名:オラパリブ、以下リムパーザ)+血管新生阻害薬であるセジラニブ(cediranib)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(NCT02893917)の結果がMedical Oncology Yale School of Medicine and Yale Cancer CenterのJoseph W. Kim氏らにより公表された。

本試験は、転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)患者(N=90人)に対して1日2回リムパーザ200mg+1日1回セジラニブ30mg併用療法を実施する群、もしくは1日2回リムパーザ300mg単剤療法を実施する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてintention-to-treat(ITT)集団における画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)、副次評価項目として相同組換え修復異常(HRD欠損/HRR陽性)群における画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)を比較検証した第2相試験である。

本試験の結果、主要評価項目であるITT集団における画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)中央値はリムパーザ+セジラニブ併用群の8.5ヶ月(95%信頼区間:5.4-12.0ヶ月)に対してリムパーザ単剤群で4.0ヶ月(95%信頼区間:3.2-8.5ヶ月)を示し、リムパーザ+セジラニブ併用群で画像診断に基づく病勢進行または死亡(rPFS)のリスクを統計学有意に38.3%改善した(HR:0.617、95%信頼区間:0.392-0.969、P=0.0359)。

相同組換え修復異常(HRD欠損)群における画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)中央値はリムパーザ+セジラニブ併用群の10.6ヶ月(95%信頼区間:5.9ヶ月-未到達)に対してリムパーザ単剤群で3.8ヶ月(95%信頼区間:2.33ヶ月-未到達)を示し、リムパーザ+セジラニブ併用群で画像診断に基づく病勢進行または死亡(rPFS)のリスクを36%改善した(HR:0.64、95%信頼区間:0.272-1.504)。

BRCA2遺伝子変異群における画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)中央値はリムパーザ+セジラニブ併用群の13.8ヶ月(95%信頼区間:3.3ヶ月-未到達)に対してリムパーザ単剤群で11.3ヶ月(95%信頼区間:3.8ヶ月-未到達)を示し、リムパーザ+セジラニブ併用群で画像診断に基づく病勢進行または死亡(rPFS)のリスクを2%改善した(HR:0.98、95%信頼区間:0.321-2.988)。

一方の安全性として、グレード3~4の有害事象(AE)発症率はリムパーザ+セジラニブ併用群の61%に対してリムパーザ単剤群で18%であった。

以上の第2相試験の結果よりJoseph W. Kim氏らは「転移性去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)患者に対するPARP阻害薬リムパーザ+血管新生阻害薬であるセジラニブ(cediranib)併用療法は、リムパーザ単剤療法に比べて画像診断に基づく病勢進行または死亡(rPFS)を統計学有意に改善しました。また、グレード3~4の有害事象(AE)発症率の増加とリムパーザ+セジラニブ併用療法は関連していました」と結論を述べている。

Randomized Trial of Olaparib With or Without Cediranib for Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: The Results From National Cancer Institute 9984(J Clin Oncol. 2022 Oct 18;JCO2102947. doi: 10.1200/JCO.21.02947.)
ニュース 前立腺がん cediranib

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る