進行性非小細胞肺がんに対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬トリパリマブ+化学療法、無増悪生存期間と全生存期間を改善Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2022.10.18
  • [最終更新日]2022.10.17
この記事の3つのポイント
・進行性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてトリパリマブ+化学療法有効性安全性プラセボ+化学療法と比較検証
無増悪生存期間は8.4ヶ月、全生存期間17.1ヶ月であり、いずれもプラセボ+化学療法に対して延長を示した

10月7日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるトリパリマブ+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCHOICE-01試験の結果がCAMS Key Laboratory of Translational Research on Lung CancerのZhijie Wang氏らにより公表された。

CHOICE-01試験は、未治療の進行性非小細胞肺がん患者(N=465人)に対するファーストライン治療として3週を1サイクルとしてトリパリマブ240mg+化学療法を実施し、その後維持療法として3週を1サイクルとしてトリパリマブ240mg+標準治療を実施する群(N=309人)、もしくはプラセボ+化学療法を実施し、その後維持療法として3週を1サイクルとしてプラセボ+標準治療を実施する群(N=156人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性などを比較検証した第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、トリパリマブ240mg+化学療法群の8.4ヶ月に対してプラセボ+化学療法群で5.6ヶ月と、トリパリマブ+化学療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを51%減少(HR:0.49、95%信頼区間:0.39-0.61、P<0.0001)した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は、トリパリマブ240mg+化学療法群の未到達に対してプラセボ+化学療法群で17.1ヶ月と、トリパリマブ+化学療法群で死亡(OS)のリスクを31%減少(HR:0.69、95%信頼区間:0.53-0.92、P=0.0099)した。一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は両群間で同等であった。

以上の CHOICE-01試験の結果よりZhijie Wang氏らは「未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるトリパリマブ+化学療法は、プラセボ+化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を統計学的有意に改善しました。また、安全性プロファイルも管理可能な内容でした」と結論を述べている。

Toripalimab Plus Chemotherapy for Patients With Treatment-Naive Advanced Non–Small-Cell Lung Cancer: A Multicenter Randomized Phase III Trial (CHOICE-01)

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