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ESR1変異を有するエストロゲン受容体陽性HER2陰性進行性乳がんに対するアロマターゼ阻害薬+イブランス後のフルベストラント+イブランスへのスイッチ投与、無増悪生存期間を延長The Lancet Oncologyより


  • [公開日]2022.10.07
  • [最終更新日]2022.10.07
この記事の3つのポイント
・ESR1変異を有するエストロゲン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者が対象の第3相試験
・アロマターゼ阻害剤+イブランス併用療法後のフルベストラント+イブランス併用療法(スイッチ投与)の有効性安全性を継続投与と比較検証
無増悪生存期間はスイッチ投与で11.9ヶ月であり、継続投与群(5.7ヶ月)に比べて改善を示した

9月29日、医学誌『The Lancet Oncology』にてエストロゲン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するファーストライン治療としてアロマターゼ阻害薬(レトロゾール、アナストロゾールエキセメスタン)+サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)であるイブランス(一般名:パルボシクリブ、以下イブランス)併用療法を実施し、治療中にリキッドバイオプシーにより採取した血中循環腫瘍DNActDNA)からESR1変異が確認され、かつ病勢進行していない患者に対する継続治療、フルベストラント+イブランス併用療法へのスイッチ治療の有効性、安全性を比較検証した第3相のPADA-1試験(NCT03079011)の結果がUniversité Versailles Saint-QuentinのFrançois-Clément Bidard氏らにより公表された。

PADA-1試験とは、エストロゲン受容体陽性HER2陰性進行性乳がん患者に対するファーストライン治療として、28日を1サイクルとしてアロマターゼ阻害薬(1日1回レトロゾール2.5mg、アナストロゾール1mg、エキセメスタン25mg)+イブランス併用療法を実施し、治療中にリキッドバイオプシーにより採取した血中循環腫瘍DNA(ctDNA)からESR1変異が確認され、かつ病勢進行していない患者に対して同療法を継続する群(N=84人)、もしくは28日を1サイクルとして1日目(1サイクル目は1日目と15日目)にフルベストラン500mg+1~21日目に1日1回イブランス125mg併用療法へスイッチする群(N=88人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、グレード3以上の血液関連有害事象(AE)発症率を比較検証した第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はアロマターゼ阻害薬+イブランス併用療法(継続投与)群の5.7ヶ月(95%信頼区間:3.9-7.5ヶ月)に対してフルベストラン+イブランス併用療法(スイッチ投与)群で11.9ヶ月(95%信頼区間:9.1-13.6ヶ月)とフルベストラン+イブランス併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを39%減少(HR:0.61、95%信頼区間:0.43-0.86、P=0.0040)した。

ESR1変異確認後、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の血液関連有害事象(AE)は下記の通りである。好中球減少症はアロマターゼ阻害薬+イブランス併用療法(継続投与)群の41.7%(N=35/84人)に対してフルベストラン+イブランス併用療法(スイッチ投与)群で44.3%(N=39/88人)、リンパ球減少症は3.6%に対して4.5%であった。

以上のPADA-1試験の結果よりFrançois-Clément Bidard氏らは「PADA-1試験は、ESR1変異に対して早期に治療介入することで臨床的ベネフィットを示した初の前向き試験です。本試験の結果は、薬剤抵抗性を後天的に獲得した疾患への治療選択肢へ役に立つ可能性が示唆されました」と結論を述べている。

Switch to fulvestrant and palbociclib versus no switch in advanced breast cancer with rising ESR1 mutation during aromatase inhibitor and palbociclib therapy (PADA-1): a randomised, open-label, multicentre, phase 3 trial(Lancet Oncol. 2022 Sep 29;S1470-2045(22)00555-1. doi: 10.1016/S1470-2045(22)00555-1.)

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