切除不能/局所進行性/転移性胆道がん(BTC)に対するファーストライン治療としてのイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法、全生存期間12.9ヶ月を示すー英アストラゼネカ社ー


  • [公開日]2022.10.03
  • [最終更新日]2022.09.28
この記事の3つのポイント
・切除不能/局所進行性/転移性胆道がん(BTC)患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有効性安全性プラセボと比較検証
全生存期間は12.9ヶ月であり、プラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群(11.3ヶ月)に対して死亡リスクを減少した

9月12日、英アストラゼネカ社のプレスリリースにて肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能/局所進行性/転移性胆道がん(BTC)患者に対するファーストライン治療として抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有効性、安全性を検証した第3相のTOPAZ-1試験のアップデート解析の結果が公表された。

TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能/局所進行性/転移性胆道がん(BTC)患者(N=685人)に対するファーストライン治療として、3週を1サイクルとしてイミフィンジ1500mg+ゲムシタビン1000mg/m2+シスプラチン25mg/m2併用療法を実施する群(N=341人)、もしくは3週を1サイクルとしてプラセボ+ゲムシタビン1000mg/m2+シスプラチン25mg/m2併用療法を実施する群(N=344人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、客観的奏効率ORR)、安全性などを比較検証した無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値6.5ヶ月時点における結果、全生存期間(OS)中央値はイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群の12.9ヶ月に対してプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で11.3ヶ月と、イミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で死亡(OS)のリスクを24%(HR:0.76、95%信頼区間:0.64-0.91)減少した。1年全生存率(OS)はイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群の54.3%に対してプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で47.1%、2年全生存率(OS)はイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群の23.6%に対してプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で11.5%を示した。

一方の安全性に関して、グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群の60.9%に対してプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で63.5%を示した。治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群の8.9%に対してプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用群で11.4%を示した。

以上のTOPAZ-1試験のアップデート解析の結果より、Seoul National University Hospital and Seoul National University College of MedicineのDo-Youn Oh氏は「切除不能/局所進行性/転移性胆道癌(BTC)患者に対するファーストライン治療として抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法は、標準治療に比べて全生存期間(OS)を改善しました。免疫療法をベースとした併用療法が、この疾患の新しい標準治療となる可能性が今回初めて示唆されました」と述べている。

Imfinzi plus chemotherapy further improved overall survival benefit in advanced biliary tract cancer in the TOPAZ-1 Phase III trial, reducing the risk of death by 24% in additional follow-up(AstraZeneca PressReleases)

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