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KRAS G12C遺伝子変異陽性転移性大腸がんに対するルマケラス+ベクティビックス併用療法、客観的奏効率30%を示す

[公開日] 2022.09.30[最終更新日] 2022.09.30

この記事の3つのポイント ・KRAS G12C遺伝子変異陽性転移性大腸がん患者が対象の第1b相試験のコホート ・ルマケラス+ベクティビックス併用療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率30%であり、本疾患の新たな標準治療の可能性を示唆した

9月12日、アムジェン社プレスリリースにてKRAS G12C遺伝子変異陽性転移性大腸がん患者に対するKRAS G12C阻害薬であるルマケラス(一般名:ソトラシブ、以下ルマケラス)+抗EGFRモノクローナル抗体薬であるベクティビックス(一般名:パニツムマブ、以下ベクティビックス)併用療法の有効性、安全性を検証した第1b相のCodeBreaK 101試験(NCT04185883)のコホートの結果が公表された。

CodeBreaK 101試験は、KRAS G12C遺伝子変異陽性固形がんに対してルマケラス+ベクティビックス併用療法をはじめルマケラスと複数の他併用薬を投与し、客観的奏効率(ORR)、安全性などを検証した第1b相試験である。

本試験が開始された背景として、大腸がん患者の約40%はKRAS遺伝子変異を有しており、KRAS G12C遺伝子変異は大腸がん患者の3~5%の患者で確認されている。このような遺伝子変異を有する患者の予後は不良であり、治療選択肢も非常に限られている。以上の背景より、本試験が開始された。

本試験のコホートに登録された40人は化学療法抵抗性のある転移性大腸がん患者であり、前治療歴中央値は2レジメン(1~7レジメン)である。以上の患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

客観的奏効率(ORR)は30%、病勢コントロール率(DCR)は92.5%(N=37人)、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.7ヶ月を示した。なお、本試験の有効性の結果は、腫瘍部位(右側、左側)により差異は確認されなかった。腫瘍縮小率は88%、奏効持続期間(DOR)中央値は5.9ヶ月を示した。フォローアップ期間中央値8.8ヶ月時点における全生存期間(OS)中央値は未到達であった。

一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。

以上のCodeBreaK 101試験の結果より、アムジェン社のDavid M. Reese氏は「KRAS G12C遺伝子変異陽性転移性大腸がんに対するKRAS G12C阻害薬ルマケラス+抗EGFRモノクローナル抗体薬ベクティビックス併用療法は、客観的奏効率(ORR)30%を示しました。これまで本疾患の標準治療による奏効率(ORR)は2%程度であり、無増悪生存期間(PFS)中央値は2ヶ月程度でした。以上の臨床試験の結果より、本治療はKRAS G12C遺伝子変異陽性転移性大腸がんの新しい治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。

LUMAKRAS® (SOTORASIB) COMBINED WITH VECTIBIX® (PANITUMUMAB) SHOWS CONFIRMED 30% OBJECTIVE RESPONSE RATE IN PATIENTS WITH KRAS G12C-MUTATED METASTATIC COLORECTAL CANCER(Amgen Inc. Press Releases)
ニュース 大腸がん NCT04185883

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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