9月28日、株式会社ヤクルト本社は、「再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)」の治療薬である経口ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)-δ(デルタ)および PI3K-γ(ガンマ)二重阻害剤デュベリシブ水和物(一般名、開発コード:YHI1702)の製造販売承認申請を取り下げたと発表した。
デュベリシブは、悪性のB細胞、T細胞の増殖と生存に関与するPI3K-δとγの働きを阻害することで、悪性B細胞とT細胞の増殖を抑えると考えられている経口可能なPI3K-δ/γ二重阻害剤である。
承認申請は、国内第1相臨床試験、ならびに海外無作為化比較第3相DUO試験(NCT02004522)などの結果に基づくいていた。DUO試験は再発/難治性のCLLならびにSLL患者を対象に、デュベリシブ25mg単剤を投与する群と抗CD20抗体薬オファツムマブ単剤を投与する群に1:1で割り付け、有効性と安全性を比較検証した臨床試験。同試験の結果を受け、2022年3月にデュベリシブの製造販売承認申請を行っていた。
今回、同社は医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議の結果、同試験に基づく申請内容では製造販売承認の取得は困難と判断し、取り下げるに至ったという。
なお、デュベリシブは現在、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を対象に臨床試験が行われている。
慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)とは CLLとSLLは白血球の1つであるリンパ球のうち、悪性のB細胞が血液や骨髄、リンパ節などで過剰増殖することで発症する血液がん。CLLとSLLは一般的に緩やかに進行すると言われているが、治療不応答もしくは治療後に再発を認めることがあり、新たな治療選択肢が望まれている。
参考:株式会社ヤクルト本社 2022年3月24日付ニュースリリース 参照元:
株式会社ヤクルト本社 ニュースリリース