PI3K-デルタ/ガンマ二重阻害薬デュベリシブ、再発/難治性の慢性リンパ性白血病および小リンパ球性リンパ腫に対する製造販売承認申請を取り下げーヤクルト本社ー


  • [公開日]2022.10.04
  • [最終更新日]2022.10.03

9月28日、株式会社ヤクルト本社は、「再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)」の治療薬である経口ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)-δ(デルタ)および PI3K-γ(ガンマ)二重阻害剤デュベリシブ水和物(一般名、開発コード:YHI1702)の製造販売承認申請を取り下げたと発表した。

デュベリシブは、悪性のB細胞、T細胞の増殖と生存に関与するPI3K-δとγの働きを阻害することで、悪性B細胞とT細胞の増殖を抑えると考えられている経口可能なPI3K-δ/γ二重阻害剤である。

承認申請は、国内第1相臨床試験、ならびに海外無作為化比較第3相DUO試験(NCT02004522)などの結果に基づくいていた。DUO試験は再発/難治性のCLLならびにSLL患者を対象に、デュベリシブ25mg単剤を投与する群と抗CD20抗体薬オファツムマブ単剤を投与する群に1:1で割り付け有効性安全性を比較検証した臨床試験。同試験の結果を受け、2022年3月にデュベリシブの製造販売承認申請を行っていた。

今回、同社は医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議の結果、同試験に基づく申請内容では製造販売承認の取得は困難と判断し、取り下げるに至ったという。

なお、デュベリシブは現在、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を対象に臨床試験が行われている。

慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)とは
CLLとSLLは白血球の1つであるリンパ球のうち、悪性のB細胞が血液や骨髄、リンパ節などで過剰増殖することで発症する血液がん。CLLとSLLは一般的に緩やかに進行すると言われているが、治療不応答もしくは治療後に再発を認めることがあり、新たな治療選択肢が望まれている。

参考:
株式会社ヤクルト本社 2022年3月24日付ニュースリリース

参照元:
株式会社ヤクルト本社 ニュースリリース

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