9月26日、MSD株式会社は、悪性黒色腫に対する抗悪性腫瘍薬/抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)について、添付文書の改訂と最適使用ガイドラインの改訂により、完全切除後のステージIIBまたはIICの悪性黒色腫患者への術後補助療法が可能になったと発表した。
悪性黒色腫は、色素産生(メラニン)細胞の増殖が制御できなくなるという特徴を持ち、皮膚がんで最も深刻と言われている。腫瘍の厚さや表面の潰瘍、転移の範囲に基づきステージI~IVに分類される。これまでキイトルーダの最適使用推奨ガイドラインでは、完全切除後の術後補助療法として投与が可能な患者はステージIIIのみであった。
今回の添付文書改訂は、第3相KEYNOTE-716試験の結果に基づくもの。同試験では、完全切除後のステージIIBまたはIICの悪性黒色腫患者(うち3人は日本人)を対象に、術後補助療法として3週ごとにキイトルーダ200mgを投与した際の有効性と安全性をプラセボと比較検証した。中間解析の結果、全患者群において無再発生存期間(RFS)を統計学的有意に延長した(HR:0.65、95%信頼区間:0.46-0.92、P=0.00658)。
キイトルーダとは キイトルーダは免疫チェックポイント阻害薬の1つであり、免疫に関与する活性化T細胞上に発現するPD-1と結合することで、がん細胞上のPD-L1/2とPD-1が結合するのを阻害する。これによりがん細胞がT細胞の働きを抑制するのを阻害し、T細胞が再活性化されることによりがん細胞を排除する。
参照元:MSD株式会社 ニュースルーム