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キイトルーダが再発高リスクのトリプルネガティブ乳がんに対する術前・術後療法としての適応拡大承認を取得

[公開日] 2022.10.01[最終更新日] 2022.10.01

9月26日、MSD株式会社は、抗悪性腫瘍薬/抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)について「ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術前・術後薬物療法」として国内における適応拡大承認を取得したと発表した。

乳がんは女性のがんの中で最も多く、好発年齢は40歳後半~60歳後半である。乳がんは、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモン受容体、ヒト上皮成長因子受容体(HER)2、がん細胞の増殖能であるKi67という3つの要素の有無により5つのサブタイプに分かれる。そのうちの1つはホルモン受容体やHER2の過剰発現を伴わないトリプルネガティブ乳がん(TNBC)であり、TNBCの患者は40歳未満の女性に多く、乳がん全体の約10~15%を占める。一般にTNBCは、他のタイプの乳がんと比較すると、増殖能が高く、生存期間が短いと報告されている。

今回の承認は、国際共同第3相KEYNOTE-522試験の結果に基づくもの。同試験では、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの周術期の乳がん患者(N=1174人、うち76人が日本人)を対象に、術前薬物療法として3週ごとにキイトルーダ+化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン投与後にシクロホスファミド+ドキソルビシン/エビルビシン)を投与し、術後薬物療法として3週ごとにキイトルーダ単剤療法を実施した際の有効性と安全性を、術前薬物療法としてのプラセボ+化学療法ならびに術後薬物療法としてのプラセボ投与と比較検証した。

その結果、術前薬物療法としてのキイトルーダ+化学療法と術後薬物療法としてのキイトルーダ単剤療法は、術前薬物療法としてのプラセボ+化学療法と術後薬物療法としてのプラセボと比較して無イベント生存期間(EFS)を統計学的有意に延長した(HR:0.63、95%信頼区間:0.48-0.82、P=0.00031)。

これまでキイトルーダのTNBCにおける適応は、「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」であったが、今回の適応拡大により、再発高リスクである早期TNBCに対して、術前ならびに術後薬物療法としてキイトルーダの使用が可能となった。

キイトルーダとは キイトルーダは免疫チェックポイント阻害薬の1つであり、免疫に関与する活性化T細胞上に発現するPD-1と結合することで、がん細胞上のPD-L1/2とPD-1が結合するのを阻害する。これによりがん細胞がT細胞の働きを抑制するのを阻害し、T細胞が再活性化されることによりがん細胞を排除する。

参照元:
MSD株式会社 ニュースルーム
ニュース 乳がん 術後化学療法

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