9月9日、英グラクソ・スミスクライン社プレスリリースにて、ファーストライン治療としてのプラチナ系抗がん剤に反応性を示したステージIII/IV卵巣がん患者に対する維持療法としてのPARP阻害薬であるゼジューラ(一般名:ニラパリブ、以下ゼジューラ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のPRIMA試験の結果が公表された。
PRIMA試験は、ファーストライン治療としてのプラチナ系抗がん剤に反応性を示したステージIII/IV卵巣がん患者に対する維持療法として1日1回ニラパリブ300mg単剤療法を実施する群(体重77kg未満および/または血小板150K/μL未満の場合は200mg)、もしくはプラセボ単剤療法を実施する群に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証した二重盲検下ランダム化の第3相試験である。
本試験の結果、相同組換え修復異常(HRD)のある患者群において、ゼジューラ単剤群はプラセボ単剤群に比べて病勢進行または死亡(PFS)のリスクを48%(HR:0.52、95%信頼区間:0.40-0.68、P<0.0001)減少し、臨床的意義ある改善を示した。また、4年無増悪生存率(PFS)はゼジューラ単剤群の38%に対してプラセボ単剤群で17%を示した。
全患者群において、ゼジューラ単剤群はプラセボ単剤群に比べて病勢進行または死亡(PFS)のリスクを34%(HR:0.66、95%信頼区間:0.56-0.79、P<0.0001)減少し、臨床的意義ある改善を示した。また、4年無増悪生存率(PFS)はゼジューラ単剤群の24%に対してプラセボ単剤群で14%を示した。
相同組換え熟達(HRP)のある患者群において、ゼジューラ単剤群はプラセボ単剤群に比べて病勢進行または死亡(PFS)のリスクを35%(HR:0.65、95%信頼区間:0.49-0.87、P<0.0038)減少し、臨床的意義ある改善を示した。なお、全生存期間(OS)のイベント数は未到達であり、データは未成熟であった。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は血小板減少症が40%、貧血が32%、好中球減少症が21%であり、安全性プロファイルの内容は初回解析の結果と同様で、新たに確認された有害事象(AE)はなかった。なお、ゼジューラ単剤療法の長期投与にも関わらず有害事象(AE)を原因とした治療中止率は低率であり、本治療により持続的な臨床効果を得られる可能性が示唆されている。
PRIMA試験の結果に対し、治験責任医師のAntonio Gonzalez-Martin氏は、「今回の長期フォローアップの結果は、ゼジューラの継続的な有用性を示し、再発リスクの高い進行性卵巣がん患者にとって心強いものとなりました」と述べている。
Zejula (niraparib) shows durable and sustained long-term progression-free survival benefit in the PRIMA study of first-line platinum-responsive advanced ovarian cancer(GSK plc. PressReleases)