・複数治療歴のある難治性/進行性非小細胞肺がん患者が対象の第1b/2相試験
・がんペプチドワクチンUCPVax療法の有効性・安全性を検証
・最大耐用量は1mgであり、1年後の全生存率は34.1%、全生存期間は9.7ヶ月であった
9月7日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて複数治療歴のある難治性/進行性非小細胞肺がん患者に対するがんペプチドワクチンであるUCPVax療法の有効性、安全性を検証した第1b/2a相試験(NCT02818426)の結果がUniversity Hospital of BesançonのOlivier Adotévi氏らにより公表された。
本試験は、複数治療歴のある難治性/進行性非小細胞肺がん患者(N=59人)に対してUCPVax療法を0.25mg、0.5 mg、1mgのいずれかの用量で実施し、主要評価項目として用量制限毒性(DLT)、奏効率、副次評価項目として1年後の全生存期間(OS)、1年無増悪生存率(PFS)を検証した第1b/2a相試験である。
本試験の結果、第1b相段階で治療された15人の患者において、主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は確認されず、最大耐用量(MTD)はUCPVax療法1mgとして決定された。また、51人の患者は第2a相段階の適応基準を満たしていた。
もう1つの主要評価項目である奏効率(RR)はUCPVax療法3回投与、6回投与でそれぞれ56%、87.2%を示した。39%(N=21人)の患者で病勢コントロール(DCR)を示し、その内訳は完全奏効(CR)1人、病勢安定(SD)20人であった。1年全生存率(OS)は34.1%(95%信頼区間:23.1-50.4%)、全生存期間(OS)中央値は9.7ヶ月で投与回数間による差異は確認されなかった。
奏効を示した患者群における1年無増悪生存率(PFS)は17.2%(95%信頼区間:7.8-38.3%)、全生存期間(OS)中央値は11.6ヶ月(95%信頼区間:9.7-16.7ヶ月)に対して、奏効を示さなかった患者群における1年無増悪生存率(PFS)は4.5%(95%信頼区間:0.7-30.8%)、全生存期間(OS)中央値は5.6ヶ月(95%信頼区間:2.5-10ヶ月)であった(P=0.005)。
以上の第1b/2a相試験の結果よりOlivier Adotévi氏らは「複数治療歴のある難治性/進行性非小細胞肺がん患者に対するがんペプチドワクチンであるUCPVax療法は安全性に問題なく、1年全生存率(OS)で良好な臨床成績を示しました」と結論を述べている。
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