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RET融合遺伝子変異陽性の進行性固形がんに対するRET阻害薬プラルセチニブ単剤療法、客観的奏効率57%を示す

[公開日] 2022.09.07[最終更新日] 2022.09.07

この記事の3つのポイント ・RET融合遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者が対象の第1/2相試験 ・Pralsetinib(プラルセチニブ)の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は57%を示し、内訳は完全奏効率13%、部分奏効率43%であった

8月12日、医学誌『nature medicine』にてRET融合遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者に対するRET阻害薬であるPralsetinib(プラルセチニブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のARROW試験(NCT03037385)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのVivek Subbiah氏らにより公表された。

ARROW試験は、複数治療歴のあるもしくは標準治療に適応のないRET融合遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者(N=29人)に対してPralsetinib単剤療法を投与し、主要評価項として客観的奏効率(ORR)などを検証した第1/2相試験である。

本試験が開始された背景として、RET融合遺伝子変異は非小細胞肺がんの約1~2%、甲状腺乳頭がんの20%、その他のがんの1%未満の患者で確認される。以上の背景より、RET融合遺伝子変異陽性の進行性固形がんに対するRET阻害薬Pralsetinib単剤療法の有用性を確認する目的で本試験が開始された。

本試験の有効性評価の対象となった23人の患者の結果、客観的奏効率(ORR)は57%(95%信頼区間:35-77%)を示し、がん腫に関係のない抗腫瘍効果が確認された。奏効の内訳は完全奏効率(CR)は13%、部分奏効率(PR)は43%であった。奏効持続期間(DOR)中央値は11.7ヶ月(95%信頼区間:5.5–19.0ヶ月)、無増悪生存期間(PFS)中央値は7ヶ月、全生存期間(OS)中央値は14ヶ月を示した。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症が31%、貧血が14%であった。

以上の第1/2相試験の結果より、Vivek Subbiah氏らは「RET融合遺伝子変異陽性の進行性固形がんに対するRET阻害薬であるPralsetinib単剤療法は、迅速かつ強固で持続的な抗腫瘍活性を持つ忍容性の高い治療オプションとしての可能性を示しました」と結論を述べている。

Pan-cancer efficacy of pralsetinib in patients with RET fusion–positive solid tumors from the phase 1/2 ARROW trial(Nat Med. 2022 Aug;28(8):1640-1645. doi: 10.1038/s41591-022-01931-y.)
ニュース 固形がん プラルセチニブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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