8月27日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する細胞成熟抗原(BMCA)とCD3に対する二重特異性抗体であるABBV-383療法の有効性、安全性を検証した第1相試験(NCT03933735)の結果がMedical College of WisconsinのAnita D'Souzas氏らにより公表された。
本試験は、複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者(N=124人)に対して3週を1サイクルとしてABBV-383を0.025~120mg投与する用量増加パート(N=73人)と60mg投与する用量拡大パート(N=51人)に分け、主要評価項目として用量制限毒性(DLT)、安全性など、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを検証した第1相試験である。
本試験の結果、最も多くの患者で確認された全グレードの血液関連有害事象(AE)は好中球減少症が37%、貧血が29%であった。また、最も多くの患者で確認された全グレードの非血液関連有害事象(AE)はサイトカイン放出症候群(CRS)が57%、疲労が30%であった。有効性評価可能であった122人の患者における結果、客観的奏効率(ORR)は57%、最良部分奏効率(VGPR)は43%を示した。また、ABBV-383を60mg投与する用量拡大パートでは、客観的奏効率(ORR)は59%、最良部分奏効率(VGPR)は43%を示した。
以上の第1相試験の結果よりAnita D'Souzas氏らは「複数治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する細胞成熟抗原(BMCA)とCD3に対する二重特異性抗体ABBV-383B療法は、客観的奏効率(ORR)57%、最良部分奏効率(VGPR)43%を示し、本疾患の有望な治療薬である可能性が示唆されました」と結論を述べている。
A Phase I First-in-Human Study of ABBV-383, a B-Cell Maturation Antigen × CD3 Bispecific T-Cell Redirecting Antibody, in Patients With Relapsed/Refractory Multiple Myeloma(J Clin Oncol. 2022 Aug 27;JCO2201504. doi: 10.1200/JCO.22.01504.)