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治療歴のある進行性腎細胞がんに対するカボメティクス+Telaglenastat併用療法、無増悪生存期間を改善せず

[公開日] 2022.09.12[最終更新日] 2022.09.12

この記事の3つのポイント ・治療歴のある進行性腎細胞がん患者が対象の第2相試験 ・カボメティクス+Telaglenastat(テラグレナスタット)併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・無増悪生存期間は9.2ヶ月であり、カボメティクス+プラセボ併用群の9.3ヶ月に対して改善を示さなかった

9月1日、医学誌『JAMA Oncology』にて治療歴のある進行性腎細胞がん患者に対してマルチキナーゼ阻害薬であるカボメティクス(一般名:カボザンチニブ、以下カボメティクス)+Telaglenastat(テラグレナスタット)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のCANTATA試験(NCT03428217)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのNizar M. Tannir氏らにより公表された。

CANTATA試験は、治療歴のある進行性腎細胞がん患者(N=444人)に対して1日1回カボメティクス60mg+1日2回Telaglenastat 800mg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)発現するまで実施する群(N=221人)、もしくは1日1回カボメティクス60mg+プラセボ併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)発現するまで実施する群(N=223人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)を比較検証したプラセボ対象二重盲検下の第2相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)中央値は、カボメティクス+Telaglenastat併用群の9.2ヶ月に対してカボメティクス+プラセボ併用群で9.3ヶ月を示した(HR:0.94、95%信頼区間:0.74-1.21、P=0.65)。客観的奏効率(ORR)はカボメティクス+Telaglenastat併用群の31%(N=69/221人)に対してカボメティクス+プラセボ併用群で28%(N=62/223人)であった。

一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)発症率は両群間で同等であった。グレード3から4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、カボメティクス+Telaglenastat併用群の71%に対してカボメティクス+プラセボ併用群で79%を示し、その内訳は高血圧がカボメティクス+Telaglenastat併用群の17%に対してカボメティクス+プラセボ併用群で18%、下痢がカボメティクス+Telaglenastat併用群の15%に対してカボメティクス+プラセボ併用群で13%であった。

以上のCANTATA試験の結果よりNizar M. Tannir氏らは「治療歴のある進行性腎細胞がん患者に対してマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス+Telaglenastat併用療法は、カボメティクス+プラセボ併用療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を改善しませんでした。なお、治療関連有害事象(TRAE)は両群間で同等であり、忍容性は問題ありませんでした」と結論を述べている。 Efficacy and Safety of Telaglenastat Plus Cabozantinib vs Placebo Plus Cabozantinib in Patients With Advanced Renal Cell Carcinoma-The CANTATA Randomized Clinical Trial(JAMA Oncol. 2022 Sep 1. doi: 10.1001/jamaoncol.2022.3511.)

ニュース 腎臓がん NCT03428217

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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