8月9日、中ベイジーン社(Beigene Ltd)のプレスリリースにて切除不能肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるtislelizumab(チスレリズマブ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のRATIONALE 301試験(NCT03412773)の主要評価項目である全生存期間(OS)の結果が公表された。
RATIONALE 301試験は、切除不能肝細胞がん患者に対するファーストライン治療としてtislelizumab単剤を投与する群、もしくはソラフェニブ単剤を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として両群間の全生存期間(OS)の非劣勢、重要な副次評価項目として客観的奏効率、その他評価項目として無増悪生存期間(PFS)、奏効持続期間(DOR)などを比較検証した国際多施設共同ランダム化の第3相試験である。
本試験の結果、ソラフェニブ単剤療法の全生存期間(OS)結果に対するtislelizumab単剤療法の非劣勢が確認され、主要評価項目を達成することが判った。一方の安全性として、tislelizumab単剤療法の安全性プロファイルは既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。
以上のRATIONALE 301試験の主要評価項目の結果を受けて、ベイジーン社Chief Medical OfficerのMark Lanasa氏は「切除不能肝細胞がんの予後は不良であり、平均寿命は1年程度です。チロシンキナーゼ阻害薬による治療を受けられない患者の治療選択肢は限られておりますので、本試験の最終結果が出ることを非常に期待しております」と述べている。
BeiGene Announces Positive Global Phase 3 Trial Results for PD-1 Inhibitor Tislelizumab in First-Line Unresectable Hepatocellular Cancer(Beigene Ltd NewsDetails)