抗体薬物複合体ポライビー、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する適応拡大承認を取得ー中外製薬ー


  • [公開日]2022.08.30
  • [最終更新日]2022.08.29

8月24日、中外製薬株式会社は、「未治療のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)」の治療薬として、抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体であるポライビー点滴静注用30mg/140mg(一般名:ポラツズマブ ベドチン、以下ポライビー)の適応追加承認を取得したと発表した。

DLBCLは、非ホジキンリンパ腫の約3分の1を占める血液がん。世界における年間の罹患者数は約15万人と推計され、進行が速い中悪性度の疾患である。一次治療に反応を示すも、約40%で再発もしくは難治性へ移行することがあり、その場合に行われる救援療法(サルベージ療法)の選択肢は限定的である。

今回の承認取得は、第3相POLARIX試験(NCT03274492)の結果に基づくもの。同試験はDLBCL患者(N=879人)を対象に1次治療として、ポライビー+R-CHP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン)併用療法を実施する群と、R-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン)を実施する群に1:1に振り分け、有効性安全性を比較検証した試験である。

同試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間PFS)は、ポライビー+R-CHP併用療法で有意に改善を示した(HR:0.73、95%信頼区間:0.57-0.95、P<0.02)。

中外製薬代表取締役社長CEOの奥田修氏は、「再発・難治性に加えて、未治療のDLBCLに対しても本剤をお役立ていただけるよう、血液がんにおける長い経験と専門性を生かし、引き続き適正使用情報の提供を行ってまいります」と今後の展望について述べている。

なお、未治療のDLBCLに対する新規治療法の承認は20年ぶり。

ポライビー(ポラツズマブ ベドチン)とは
ポライビーは、抗体と低分子化合物を組み合わせた抗体薬物複合体と呼ばれる薬剤。標的となるCD79bタンパク質は、免疫細胞であるB細胞に多く発現している。同剤は、がん細胞の細胞膜上に発現するCD79bに結合し、抗がん剤を送達することで、正常細胞への影響を抑え、これらのB細胞を殺傷するといわれている。

参照元:
中外製薬株式会社 ニュースリリース

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