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dMMRまたはMSI-Hの局所進行性胃がんまたは食道胃接合部腺がんに対する術前化学療法としてオプジーボ+ヤーボイ併用療法、病理学的完全奏効率58.6%を示す

[公開日] 2022.08.24[最終更新日] 2022.08.24

この記事の3つのポイント ・ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の  局所進行性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者が対象の第2相試験 ・術前化学療法としてオプジーボ+ヤーボイの有効性・安全性を検証 ・全症例でR0切除を達成し、病理学的完全奏効率58.6%を示す

8月3日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の局所進行性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)併用療法、術後療法としてのオプジーボ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のThe GERCOR NEONIPIGA試験(NCT04006262)の結果がSaint-Antoine HospitalのThierry André氏らにより公表された。

The GERCOR NEONIPIGA試験は、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の局所進行性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者(N=32人)に対する術前化学療法として2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg併用療法を実施し(オプジーボ6サイクル、ヤーボイ2サイクル)、手術後、術後療法として4週を1サイクルとしてオプジーボ480mg単剤療法を実施し、主要評価項目として病理学的完全奏効率(pCR)を検証した第2相試験である。

本試験に登録された患者の年齢中央値は65.5歳。臨床ステージはcT2-T3N0(N=9人)、cT2-T3N1(N=22人)、cT3N1M1(N=1人)。以上の背景を有する患者に対するフォローアップ期間中央値14.9ヶ月時点における結果は下記の通りである。

術前療法ではグレード3もしくは4の有害事象(AE)発症率19%(N=6人)であった。術前療法を受けた32人の患者のうち29人が手術を受け、29人の患者全てがR0切除を達成し、病理学的完全奏効率(pCR)58.6%(N=17人、90%信頼区間:41.8-74.1%)を示した。

以上のThe GERCOR NEONIPIGA試験の結果よりThierry André氏らは「ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の局所進行性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は、忍容性が良好であり、高率な病理学的完全奏効率(pCR)を示しました」と結論を述べている。

Neoadjuvant Nivolumab Plus Ipilimumab and Adjuvant Nivolumab in Localized Deficient Mismatch Repair/Microsatellite Instability-High Gastric or Esophagogastric Junction Adenocarcinoma: The GERCOR NEONIPIGA Phase II Study(J Clin Oncol. 2022 Aug 15;JCO2200686. doi: 10.1200/JCO.22.00686.)
ニュース 胃がん 高頻度マイクロサテライト不安定性

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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