進行性肝細胞がんに対するファーストライン治療としてレンビマ+肝動脈化学塞栓術、全生存期間を改善Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2022.08.23
  • [最終更新日]2022.08.23
この記事の3つのポイント
・進行性肝細胞がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのレンビマ肝動脈化学塞栓術有効性安全性をレンビマ単剤療法と比較検証
全生存期間は17.8ヶ月であり、レンビマ単剤群(11.5ヶ月)に対して有意に延長した

8月3日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進行性肝細胞がん(HCC)患者に対するファーストライン治療としてのマルチキナーゼ阻害薬であるレンビマ(一般名:レンバチニブ、以下レンビマ)+肝動脈化学塞栓術(TACE)の有効性、安全性を比較検証した第3相のLAUNCH試験(NCT03905967)の結果がThe First Affiliated Hospital of Sun Yat-sen UniversityのZhenwei Peng氏らにより公表された。

本試験は、進行性肝細胞がん(HCC)患者(N=338人)に対するファーストライン治療としてレンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)を実施する群(N=170人)、もしくはレンビマ単剤療法を実施する群(N=168人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した多施設共同ランダム化オープンラベルの第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値17.0ヶ月時点における結果は次の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、レンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)群の17.8ヶ月に対してレンビマ単剤群で11.5ヶ月と、レンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)群で死亡(OS)のリスクを55%(HR:0.45、P<0.001)統計学的有意に減少した。

その他の評価項目である無増悪生存期間PFS)中央値は、レンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)群の10.6ヶ月に対してレンビマ単剤群で6.4ヶ月と、レンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを57%(HR:0.43、P<0.001)減少。客観的奏効率ORR)は、レンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)群の54.1%に対してレンビマ単剤群で25.0%(P<0.001)を示した。

以上のLAUNCH試験の結果よりZhenwei Peng氏ら「進行性肝細胞がん(HCC)患者に対するファーストライン治療としてのマルチキナーゼ阻害薬レンビマ+肝動脈化学塞栓術(TACE)は全生存期間(OS)を改善し、本疾患の治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。

Lenvatinib Combined With Transarterial Chemoembolization as First-Line Treatment for Advanced Hepatocellular Carcinoma: A Phase III, Randomized Clinical Trial (LAUNCH)(J Clin Oncol. 2022 Aug 3;JCO2200392. doi: 10.1200/JCO.22.00392.)

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