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ステージIII/IVホジキンリンパ腫に対するアドセトリス+AVD併療法、6年全生存率を改善

[公開日] 2022.07.26[最終更新日] 2022.07.26

この記事の3つのポイント ・ステージIII/IVホジキンリンパ腫患者が対象の第3相試験 ・アドセトリス+ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・6年長期フォローアップ解析における全生存率は93.9%を示しABVD療法(89.4%)に対して延長した

7月13日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてステージIII/IVホジキンリンパ腫患者に対する抗CD30モノクローナル抗体薬であるアドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下アドセトリス)+ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(A+AVD)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のECHELON-1試験(NCT01712490)の6年長期フォローアップ解析の結果がMayo ClinicのStephen M. Ansell氏らにより公表された。

ECHELON-1試験は、未治療のステージIII/IVの古典的ホジキンリンパ腫患者(N=1334人)に対してA+AVD併用療法を実施する群(N=664人)、またはドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(ABVD)併用療法を実施する群(N=670人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間、副次評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した非盲検多施設共同無作為化の第3相試験である。

本試験の背景として、未治療のステージIII/IVの古典的ホジキンリンパ腫患者を対象に対するA+AVD療法の5年追跡調査では、ABVD療法と比較して長期無増悪生存率を改善することが示された。また、予定されていた中間解析では、全生存率に関しても有益である可能性が示された。今回6年間の追跡調査から得られたデータの解析が行われた。

本試験のフォローアップ期間中央値73.0ヶ月、A+AVD併用群で39人、ABVD併用群で64人の死亡イベントが発生した時点における結果は下記の通りである。6年全生存率(OS)はA+AVD併用群の93.9%(95%信頼区間:91.6-95.5%)に対してABVD併用群で89.4%(95%信頼区間:86.6-91.7%)と、A+AVD併用群で死亡(OS)のリスクを41%(HR:0.59、95%信頼:0.40-0.88、P=0.009)改善した。また、A+AVD併用群で病勢進行または死亡など(PFS)のリスクを32%減少(HR:0.68、95%信頼区間:0.53-0.86)した。

以上のECHELON-1試験の6年長期フォローアップ解析の結果よりStephen M. Ansell氏らは「ステージIII/IVホジキンリンパ腫患者に対する抗CD30モノクローナル抗体薬アドセトリス+AVD併用療法は、ABVD併用療法に比べて全生存率(OS)を改善しました」と結論を述べている。

Overall Survival with Brentuximab Vedotin in Stage III or IV Hodgkin’s Lymphoma(N Engl J Med. 2022 Jul 13. doi: 10.1056/NEJMoa2206125.)
ニュース 悪性リンパ腫 ブレンツキシマブ ベドチン

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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