進行性固形がん患者に対する抗TIM-3抗体cobolimab±オプジーボ/ドスタルリマブ、良好な忍容性と抗腫瘍効果を示すASCO 2022


  • [公開日]2022.07.07
  • [最終更新日]2022.07.06
この記事の3つのポイント
・進行性固形がん患者が対象の第1相試験
・cobolimab(コボリマブ)±オプジーボ/ドスタルリマブの有効性安全性を比較検証
・客観的奏効率はcobolimab単剤療法のいずれの用量においても0%、obolimab+オプジーボ群で42.9%、cobolimab+ドスタルリマブ群で7.7~25%を示した

6月3日~7日、米国イリノイ州シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2022)にて進行性固形がん患者に対する抗TIM-3抗体であるcobolimab(コボリマブ)単剤療法、cobolimab+抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)もしくはドスタルリマブ併用療法の有効性、安全性を検証した第1相のAMBER試験(NCT02817633)の結果がSarah Cannon Research Institute at HealthONEのGerald Steven Falchook氏らにより公表された。

AMBER試験は、非小細胞肺がん、悪性黒色腫などの皮膚がん、悪性腹膜中皮腫等の進行性固形がん患者に対して2週を1サイクルとしてcobolimab 0.03~10 mg/kgもしくは1200mg単剤療法を実施する群(PART A、N=46人)、2週を1サイクルとしてcobolimab 1mg/kg+2週を1サイクルとして抗PD-1抗体オプジーボ3mg/kg併用療法を実施する群(PART B、N=17人)、2週を1サイクルとしてcobolimab 100mg、300mg、もしくは900mg+3週を1サイクルとして抗PD-1抗体dostarlimab 500mg併用療法を実施する群(PART C、N=55人)に分けて、主要評価項目として安全性、第2相試験推奨用量(RP2D)などを検証した多施設共同オープンラベルの第1相試験である。

本試験に登録された104人の患者における結果は下記の通りである。治療関連有害事象(TRAE)発症率はPART Aで67.4%、PART Bで85.7%、PART Cで67.3%を示した。最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)はPART Aで倦怠感が13.0%、吐き気が8.7%、PART Bで下痢が57.1%、嘔吐が42.9%、吐き気が42.9%、PART Cで倦怠感が20.0%、皮膚障害が14.5%であった。

グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はPART Aで4.3%、PART Bで28.6%、PART Cで14.5%を示した。グレード5の治療関連有害事象(TRAE)、治療関連有害事象(TRAE)による休薬などは1人の患者も確認されなかった。重篤な治療関連有害事象(TRAE)発症率はPART Aで2.2%、PART Bで0%、PART Cで12.7%を示した。治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はPART Aで2.2%、PART Bで28.6%、PART Cで9.0%を示した。用量制限毒性DLT)はPART Aで3.0%(N=1/33人)、PART Bで40.0%(N=2/5人)、PART Cで0%を示した。

客観的奏効率(ORR)はPART Aのcobolimab 1 mg/kg(N=9人)群で0%、cobolimab 10mg/kg(N=13人)群で0%、obolimab 1200mg(N=7人)群で0%、PART Bで42.9%(N=3人)、PART Cでcobolimab 100mg(N=13人)群で7.7%(N=1人)、cobolimab 300mg(N=20人)群で25%(N=5人)、obolimab 900mg(N=22人)群で13.6%(N=3人)を示した。

病勢コントロール率DCR)はPART Aでcobolimab 1 mg/kg群で11.1%(N=1人)、cobolimab 10mg/kg群で30.8%(N=4人)、obolimab 1200mg群で14.3%(N=1人)、PART Bで42.9%(N=3人)、PART Cのcobolimab 100mg群で15.4%(N=2人)、cobolimab 300mg群で70.0%(N=14人)、obolimab 900mg群で40.9%(N=9人)を示した。

以上のAMBER試験の結果よりGerald Steven Falchook氏らは「進行性固形がん患者に対する抗TIM-3抗体であるcobolimab単剤療法、抗TIM-3抗体cobolimab+抗PD-1抗体薬併用療法は忍容性があり、良好な抗腫瘍効果を示しました。第2相試験推奨用量(PR2D)+ドセタキセルの第2相試験でさらなる検討が望まれています」と結論を述べている。

Phase 1 trial of TIM-3 inhibitor cobolimab monotherapy and in combination with PD-1 inhibitors nivolumab or dostarlimab (AMBER).(2022 ASCO Annual Meeting, Abstract No:2504)

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