4月27日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて難治性/転移性膵臓がん患者に対する抗PD-L1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+定位放射線治療(SRT)±抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のCheckPAC試験(NCT02866383)の結果がCopenhagen University Hospital―Herlev and GentofteのInna M. Chen氏らにより公表された。
CheckPAC試験は、難治性/転移性膵臓がん患者(N=84人)に対してオプジーボ+定位放射線治療(SRT)を実施する群(N=41人)、オプジーボ+ヤーボイ+定位放射線治療(SRT)を実施する群(N=43人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として臨床的ベネフィット率(CBR:完全奏効率+部分奏効率+病勢安定)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などを比較検証した第2相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である臨床的ベネフィット率(CBR)はオプジーボ+定位放射線治療(SRT)群の17.1%(95%信頼区間:8.0-30.6%)に対してオプジーボ+ヤーボイ+定位放射線治療(SRT)群で37.2%(95%信頼区間:24.0-52.1%)を示した。
オプジーボ+定位放射線治療(SRT)群で部分奏効(PR)が確認された1人の患者は、奏効持続期間(DOR)4.6ヶ月を示した。また、オプジーボ+ヤーボイ+定位放射線治療(SRT)群で部分奏効(PR)が確認された6人の患者は、奏効持続期間(DOR)中央値5.4ヶ月(95%信頼区間:4.2ヶ月-未到達)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はオプジーボ+定位放射線治療(SRT)群の24.4%(N=10人)に対してオプジーボ+ヤーボイ+定位放射線治療(SRT)群で30.2%(N=13人)を示した。
以上のCheckPAC試験の結果よりInna M. Chen氏らは「難治性/転移性膵臓がん患者に対する抗PD-L1抗体薬オプジーボ+定位放射線治療(SRT)+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法は臨床的意義のある抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした。しかしながら、定位放射線治療(SRT)による臨床意義ある効果は不明であるため、さらなる臨床試験が必要です」と結論を述べている。
Randomized Phase II Study of Nivolumab With or Without Ipilimumab Combined With Stereotactic Body Radiotherapy for Refractory Metastatic Pancreatic Cancer (CheckPAC)(J Clin Oncol. 2022 Apr 27; JCO.21.02511. doi: 10.1200/JCO.21.02511.)