完全切除後胆道がんに対する術後補助療法としてのカペシタビン単剤療法、全生存期間を改善Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2022.04.19
  • [最終更新日]2022.04.15
この記事の3つのポイント
完全切除後胆道がん患者が対象の第3相試験
カペシタビン単剤療法の有効性安全性を経過観察と比較検証
・カペシタビン単剤群49.6ヶ月であり、経過観察群(36.1ヶ月)に対して改善を認めた

3月22日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて完全切除後胆道がん患者に対する術後補助療法としてのカペシタビン単剤療法の有効性、安全性を検証した第3相のBILCAP試験(EudraCT 2005-003318-13)の長期フォローアップ結果がUCL Cancer InstituteのJohn Bridgewater氏らにより公表された。

BILCAP試験は、完全切除後胆道がん患者(N=447人)に対する術後補助療法として21日を1サイクルとして1~14日目に1日2回カペシタビン1250mg/m2単剤療法を8サイクル投与する群(N=223人)、もしくは経過観察をする群(N=224人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)を比較検証した多施設共同の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値106ヶ月時点における結果は下記の通りである。全生存期間(OS)中央値はカペシタビン単剤群の49.6ヶ月(95%信頼区間:35.1~59.1ヶ月)に対して経過観察群で36.1ヶ月(95%信頼区間:29.7~44.2ヶ月)を示し、死亡(OS)のリスクを16%(HR:0.84、95%信頼区間:0.67-1.06)減少した。また、リンパ節転移ステータス、グレード、性別等の因子調整後解析では死亡(OS)のリスクを26%(HR:0.74、95%信頼区間:0.59-0.94)減少した。

以上のBILCAP試験の長期フォローアップ結果よりJohn Bridgewater氏らは「完全切除後胆道癌に対する術後補助療法としてのカペシタビン単剤療法は全生存期間(OS)を改善し、本疾患の標準治療になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。

Long-Term Outcomes and Exploratory Analyses of the Randomized Phase III BILCAP Study(J Clin Oncol. 2022 Mar 22;JCO2102568. doi: 10.1200/JCO.21.02568.)

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン