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非淡明細胞型進行性腎細胞がんにカボメティクス+オプジーボ併用療法、客観的奏効率47.5%を示す

[公開日] 2022.03.29[最終更新日] 2022.03.29

この記事の3つのポイント ・非淡明細胞型進行性腎細胞がん患者が対象の第2相試験 ・カボメティクス+オプジーボ併用療法の有効性・安全性を検証 ・乳頭状腎細胞がん、転座型腎細胞がん、未分類の群において客観的奏効率47.5%、全生存期間28ヶ月を示す

3月17日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて非淡明細胞型進行性腎細胞がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬であるカボメティクス(一般名:カボザンチニブ、以下カボメティクス)+抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03635892)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのChung-Han Lee氏らにより公表された。

本試験は、非淡明細胞型進行性腎細胞がん患者(N=47人)に対して1日1回カボメティクス40mg+2週を1サイクルとしてオプジーボ240mgもしくは1日1回カボメティクス40mg+4週を1サイクルとしてオプジーボ480mg併用療法を実施し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などを検証した第2相試験である。登録された患者は2つのコホートに分かれており、コホート1(N=40人)は乳頭状腎細胞がん、転座型腎細胞がん、未分類、コホート2(N=7人)は嫌色素性腎細胞がんである。

本試験のフォローアップ期間中央値13.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はコホート1で47.5%(95%信頼区間:31.5-63.9%)、コホート2で0%。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はコホート1で12.5ヶ月(95%信頼区間:6.3-16.4ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は28ヶ月(95%信頼区間:16.3ヶ月-未到達)を示した。

一方の安全性として、グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は32%、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はカボメティクスで13%、オプジーボで17%であった。

以上の第2相試験の結果よりChung-Han Lee氏らは「非淡明細胞型進行性腎細胞がん患者に対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス+抗PD-1抗体薬オプジーボ併用療法は乳頭状腎細胞がんをはじめ良好な抗腫瘍効果を示した。一方、嫌色素性腎細胞がんに対する抗腫瘍効果は限られておりました」と結論を述べている。

Phase II Trial of Cabozantinib Plus Nivolumab in Patients With Non–Clear-Cell Renal Cell Carcinoma and Genomic Correlates(J Clin Oncol. 2022 Mar 17;JCO2101944. doi: 10.1200/JCO.21.01944.)
ニュース 腎臓がん NCT03635892

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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