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治療歴を有するDNA修復遺伝子欠損のある転移性去勢抵抗性前立腺がんに対するゼジューラ単剤療法、客観的奏効率34.2%を示す

[公開日] 2022.02.21[最終更新日] 2022.02.21

この記事の3つのポイント ・治療歴のあるDNA修復遺伝子欠損のある転移性去勢抵抗性前立腺がん患者が対象の第2相試験 ・ゼジューラ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・BRCA遺伝子変異陽性群における客観的奏効率は34.2%を示した

2022年2月4日、医学誌『The Lancet Oncology』にて治療歴のあるDNA修復遺伝子欠損のある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者に対する経口PARP阻害薬であるゼジューラ(一般名:ニラパリブ、以下ゼジューラ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02854436)の結果がMassachusetts General Hospital CancerのMatthew R Smith氏らにより公表された。

本試験は、治療歴のあるDNA修復遺伝子欠損のある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者(N=289人)に対して1日1回ゼジューラ300mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同オープンラベルシングルアームの第2相試験である。

本試験に登録された患者289人のうち63%(N=182人)は、前治療歴が3レジメン以上であった。評価可能であった223人のうち、BRCA遺伝子変異陽性が142人、BRCA遺伝子変異陰性が81人。以上の患者に対するフォローアップ期間中央値10.0ヶ月時点における結果は下記の通りである。

主要評価項目であるBRCA遺伝子変異陽性群(N=76人)における客観的奏効率(ORR)は、34.2%(95%信頼区間:23.7-46.0%)を示した。

最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は、吐き気が58%(N=169/289人)、貧血が54%(N=156人)、嘔吐が38%(N=111人)。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、貧血が33%(N=95人)、血小板減少症が16%(N=47人)、好中球減少症が10%(N=28人)。重篤な有害事象(SAE)発症率は46%(N=134/289人)を示し、その内訳は血小板減少症が6%(N=17人)、貧血が4%(N=13人)であった。

以上の第2相試験の結果よりMatthew R Smith氏らは以下のように結論を述べている。「治療歴のあるDNA修復遺伝子欠損のある転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者に対する経口PARP阻害薬ゼジューラ単剤療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も問題ありませんでした」と結論を述べている。

Niraparib in patients with metastatic castration-resistant prostate cancer and DNA repair gene defects (GALAHAD): a multicentre, open-label, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2022 Feb 4;S1470-2045(21)00757-9. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00757-9.)
ニュース 前立腺がん NCT02854436

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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