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原発不明がんに対するオプジーボ単剤療法、客観的奏効率22.2%を示す

[公開日] 2021.12.08[最終更新日] 2021.12.08

この記事の3つのポイント ・原発不明がんが対象の第2相試験 ・オプジーボ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は既治療患者で22.2%、無増悪生存期間は4.0ヶ月、  全生存期間は15.9ヶ月を示した

2021年11月26日、医学誌『Annals of Oncology』にて原発不明がん(Cancer of Unknown Primary)患者に対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のNivoCUP試験(UMIN000030649)の結果が近畿大学医学部の谷崎潤子氏らにより公表された。

本試験は、原発不明がん(CUP)患者(N=56人)に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg単剤療法を最大52サイクル投与し、主要評価項目として盲検下独立中央評価(BICR)による客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同シングルアームの第2相試験である。なお、主な患者は少なくとも1レジメン以上の全身療法歴のある患者45人である。

本試験が開始された背景として、原発不明がん(CUP)は予後が不良である。免疫チェックポイント阻害薬は多種多様ながん種での有用性が承認されている。以上の背景より、治療歴のある原発不明がん(CUP)患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である盲検下独立中央評価(BICR)による客観的奏効率(ORR)は、既治療患者(N=45人)で22.2%(95%信頼区間:11.2–37.1%)を示した。無増悪生存期間(PFS)中央値は4.0ヶ月(95%信頼区間:1.9-5.8ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は15.9ヶ月(95%信頼区間:8.4-21.5ヶ月)をそれぞれ示した。

一方の安全性として、既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致していた。また、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は1人の患者でも確認されなかった。

以上のNivoCUP試験の結果より谷崎潤子氏らは「原発不明がん(CUP)患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法は良好な抗腫瘍効果を示し、本疾患の治療選択肢になり得る可能性が示唆されました」と結論を述べている。 Open-Label Phase II Study of the Efficacy of Nivolumab for Cancer of Unknown Primary(Ann Oncol. 2021 Nov 26;S0923-7534(21)04824-9. doi: 10.1016/j.annonc.2021.11.009.)

ニュース 原発不明がん UMIN000030649

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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