2021年9月8日、医学誌『The Lancet』にて再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対する抗CD3/CD20二重特異性抗体Epcoritamab(エプコリタマブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT03625037)の結果がRigshospitaletのMartin Hutchings氏らにより公表された。
本試験は、再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者(N=68人)に対して28日を1サイクルとしてEpcoritamab(エプコリタマブ)0.0128~60 mg単剤を皮下投与し、主要評価項目として最大耐用量(MTD)、第2相試験推奨用量(RP2D)を検証した第1/2相試験である。
本試験で評価対象となった68人の患者における結果は下記の通りである。主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は確認されず、第2相試験推奨用量(RP2D)はEpcoritamab(エプコリタマブ)48mgに決定した。最も多くの患者で確認された有害事象(AE)は発熱が69%(N=47人)、サイトカイン放出症候群(CRS)が59%(N=40人)、注射部位反応が47%(N=32人)であった。なお、グレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)は確認されず、治療関連有害事象(TRAE)を原因とした治療中止、死亡は確認されなかった。
第2相試験推奨用量(RP2D)であるEpcoritamab(エプコリタマブ)48mg群における客観的奏効率(ORR)は88%(95%信頼区間:47~100%)、完全奏効率(CR)は38%を示した。
以上の第1/2相試験の結果よりMartin Hutchings氏らは「再発/難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対する抗CD3/CD20二重特異性抗体Epcoritamab(エプコリタマブ)単剤療法は進行中の第2相および第3相試験で検討する必要があります」と結論を述べている。 Dose escalation of subcutaneous epcoritamab in patients with relapsed or refractory B-cell non-Hodgkin lymphoma: an open-label, phase 1/2 study(Lancet. 2021 Sep 25;398(10306):1157-1169. doi: 10.1016/S0140-6736(21)00889-8. Epub 2021 Sep 8.)