進展型小細胞肺がんに対するファーストライン治療としてのイミフィンジ+化学療法、3年全生存率17.6%を示すー英アストラゼネカ社ー


  • [公開日]2021.10.07
  • [最終更新日]2021.10.06
この記事の3つのポイント
・進展型小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのイミフィンジ化学療法有効性安全性を化学療法と比較検証
全生存期間12.9ヶ月、3年生存率は17.6%を示し、化学療法と比べて死亡リスクを29%減少した

2021年9月18日、英アストラゼネカ社のプレスリリースにて、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者に対するファーストライン治療としての抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)+主治医選択の化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCASPIAN試験の長期アップデート解析の結果が公表された。なお、同試験の結果は、9月23日~26日にバーチャルで開催されたの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2021)でも発表された。

CASPIAN試験は、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者(N=805人)に対するファーストライン治療としてイミフィンジ+化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)を投与する群、またはイミフィンジ+化学療法+トレメリムマブ併用療法を実施する群、または化学療法投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した無作為化非盲検国際多施設共同の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値は3年以上時点の結果は下記の通りである。主要評価項目である死亡(OS)のリスクは化学療法単独群に比べてイミフィンジ+化学療法群で29%(HR:0.71、95%信頼区間:0.60-0.86、P=0.0003)減少した。また、全生存期間(OS)中央値はイミフィンジ+化学療法群の12.9ヶ月に対して化学療法単独群で10.5ヶ月を示した。3年全生存率(OS)はイミフィンジ+化学療法群の17.6%に対して化学療法単独群で5.8%を示した。

以上のCASPIAN試験の長期アップデート解析の結果より、Luis Paz-Ares氏は「進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する治療選択肢は非常に限られております。イミフィンジ+化学療法は化学療法単独に比べて3倍以上の全生存期間(OS)改善傾向を示しましたので、本治療は治療選択肢として非常に有望です」と結論を述べている。

Imfinzi plus chemotherapy tripled patient survival at three years in the CASPIAN Phase III trial in extensive-stage small cell lung cancer(AstraZeneca Press Releases)

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