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【米国】EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんに対する初の経口薬EXKIVITY、FDAが承認

[公開日] 2021.09.22[最終更新日] 2021.09.22

9月16日、武田薬品工業株式会社は、経口投与の上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であるEXKIVITY(一般名:mobocertinib/モボセルチニブ)について、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行/転移性非小細胞肺がんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を取得したと発表した。

EXKIVITYはプラチナ製剤ベースの化学療法を実施中または治療後に病勢進行し、次世代シークエンサー(NGS)であるThermoFisher Scientific社のOncomine DX Target TestでEGFRエクソン20挿入変異が確認された非小細胞肺がん患者を対象に特異的に設計された初の経口治療薬。FDAより優先審査に指定され、ブレークスルーセラピーやオーファンドラッグなどの指定を受けていた。

今回の承認は臨床第1/2相試験の結果に基づくもの。同試験はプラチナ製剤ベースによる治療歴のあるEGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者(N=114人)を対象に1日1回EXKIVITYを160mg投与し、その有効性と安全性を評価した臨床試験。試験の結果、独立審査委員(IRC)による全奏効率(ORR)は28%、奏効期間(DoR)は17.5ヵ月、全生存期間(OS)は24ヵ月、無増悪生存期間(PFS)は7.3ヵ月を示した。

武田薬品工業のグローバルオンコロジービジネスユニットのプレジデントであるTeresa Bitetti氏は「EXKIVITYの承認によって、EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者さんに新しい有効な治療選択肢が提供され、この治療困難ながんに対する差し迫ったニーズの充足を目指します。EXKIVITYは、EGFRエクソン20挿入変異を標的とするよう特異的に設計された初めてかつ唯一の経口治療薬であり、特に奏効期間の中央値は約1.5年という期間が示されたことを嬉しく思います。本承認は、オンコロジー領域で十分な治療を受けられない患者さんのニーズを満たすという当社の取り組みを強化する節目となるものです」と述べている。

なお、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行/転移性非小細胞肺がんに対するEXKIVITYの継続的な承認は検証試験による臨床的有用性の確認と説明が条件となっている。

EGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がんとは
非小細胞肺がんは肺がんのうち約85%を占める最も一般的な疾患であり、世界における新規罹患者数は220万人と推定されている。上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う非小細胞肺がん患者は、非小細胞肺がん患者の約1~2%で、欧米人よりもアジア人に多い。従来のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬や化学療法の効果は限定的であり、EGFRエクソン20挿入変異を特異的に標的としていないため、EGFRエクソン20挿入変異を伴う疾患は他のEGFR変異を伴う疾患よりも予後不良と言われている。

参照元:
Takeda Pharmaceutical Company ニュースリリース
ニュース 肺がん EXKIVITY

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