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腎切除後の淡明細胞型腎細胞がんに対するアジュバント療法としてのキイトルーダ単剤療法、無病生存率を統計学的有意に改善

[公開日] 2021.09.06[最終更新日] 2021.09.06

この記事の3つのポイント ・腎切除後の淡明細胞型腎細胞がん患者が対象の第3相試験 ・キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性をプラセボと比較検証 ・無病生存率は77.3%であり、プラセボ群と比較して統計学的有意に改善した

2021年8月19日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて腎切除後の淡明細胞型腎細胞がん(RCC)患者に対するアジュバント(術後)療法としての抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第3相のMK-3475-564/KEYNOTE-564試験(NCT03142334)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのToni Choueiri氏らにより公表された。

MK-3475-564/KEYNOTE-564試験は、腎切除後の淡明細胞型腎細胞がん(RCC)患者に対するアジュバント(術後)療法として3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を17サイクル(約1年)投与する群(N=496人)、またはプラセボ療法を投与する群(N=498人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医判定による無病生存率(DFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性などを比較検証したランダム化二重盲検下の第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値24.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である24ヶ月無病生存率(DFS)はキイトルーダ群の77.3%に対してプラセボ群で68.1%と、プラセボ群に比べてキイトルーダ群で病勢進行または死亡(DFS)のリスクを32%(HR:0.68、95%信頼区間:0.53−0.87、P=0.002)統計学的有意に改善した。

一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はキイトルーダ群の32.4%に対して、プラセボ群で17.7%を示した。なお、キイトルーダに関連する有害事象(AE)を原因とした死亡は1人の患者でも確認されなかった。

以上のMK-3475-564/KEYNOTE-564試験の結果よりToni Choueiri氏らは「腎切除後の淡明細胞型腎細胞がん(RCC)患者に対するアジュバント(術後)療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、プラセボ療法に比べて無病生存期間(DFS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。

Adjuvant Pembrolizumab after Nephrectomy in Renal-Cell Carcinoma(N Engl J Med. 2021 Aug 19;385(8):683-694. doi: 10.1056/NEJMoa2106391.)
ニュース 腎臓がん NCT03142334

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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