「プライバシー情報マネジメントシステム」認証取得のお知らせ

免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性非小細胞肺扁平上皮がんに対するオプジーボ+ヤーボイ、統計学的に有意な改善示さずJAMA Oncologyより


  • [公開日]2021.08.04
  • [最終更新日]2021.08.04
この記事の3つのポイント
化学療法治療歴のある免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性非小細胞肺扁平上皮がん患者が対象の第3相試験
オプジーボ+ヤーボイ併用療法有効性安全性をオプジーボ単剤療法と比較検証
全生存期間はオプジーボ+ヤーボイで10ヶ月、オプジーボで11ヶ月であり統計学的有意な改善は示さなかった

2021年7月15日、医学誌『JAMA Oncology』にて化学療法治療歴のある免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性非小細胞肺扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ、以下ヤーボイ)併用療法の有効性、安全性をオプジーボ単剤療法と比較検証した第3相のThe Lung-MAP S1400I試験(NCT02785952)の結果がYale Cancer CenterのScott N. Gettinger氏らにより公表された。

The Lung-MAP S1400I試験は、化学療法治療歴のある免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性非小細胞肺扁平上皮がん患者(N=275人)を2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kg併用療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=125人)と2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで実施する群(N=127人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として主治医評価の無増悪生存期間PFS)、奏効率(RR)を比較検証したオープンラベルランダム化の第3相試験である。

本試験が開始された背景として、未治療の進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法はプラチナ系抗がん剤ベースの治療よりも効果が良好であり、治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法はドセタキセル単剤療法よりも効果が良好であることが過去の臨床試験で示されている。以上の背景より、化学療法治療歴のある免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性非小細胞肺扁平上皮がん患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験に登録された275人の患者の年齢中央値は67.5歳(41.8~90.3歳)。性別は男性67%(N=169人)。人種は白人82%(N=206人)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、オプジーボ+ヤーボイ併用群の10ヶ月(95%信頼区間:8.0~14.4ヶ月)に対してオプジーボ単剤群で11ヶ月(95%信頼区間:8.6~13.7ヶ月)と、両群間で統計学有意な差は確認されなかった(HR:0.87、95%信頼区間:0.66~1.16、P=0.34)。

副次評価項目である主治医評価の無増悪生存期間(PFS)中央値は、オプジーボ+ヤーボイ併用群の3.8ヶ月(95%信頼区間:2.7~4.4ヶ月)に対してオプジーボ単剤群で2.9ヶ月(95%信頼区間:1.8~4.0ヶ月)と、両群間で統計学有意な差は確認されなかった(HR:0.80、95%信頼区間:0.61~1.03、P=0.09)。

奏効率(RR)はオプジーボ+ヤーボイ併用群の18%(95%信頼区間:12~25%)に対してオプジーボ単剤群で17%(95%信頼区間:10~23%)、奏効持続期間(DOR)中央値はオプジーボ+ヤーボイ併用群の28.4ヶ月(95%信頼区間:4.9ヶ月~未到達)に対してオプジーボ単剤群で9.7ヶ月(95%信頼区間:4.2~23.1ヶ月)を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、オプジーボ+ヤーボイ併用群の39.5%(N=49/124人)に対してオプジーボ単剤群で33.3%(N=41/123人)を示した。また、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はオプジーボ+ヤーボイ併用群の25%(N=31/124人)に対してオプジーボ単剤群で15%(N=19/123人)を示した。

以上のThe Lung-MAP S1400I試験の結果よりScott N. Gettinger氏らは「化学療法治療歴のある免疫チェックポイント阻害薬ナイーブの進行性非小細胞肺扁平上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボへの抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ上乗せ効果は、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しませんでした」と結論を述べている。

Nivolumab Plus Ipilimumab vs Nivolumab for Previously Treated Patients With Stage IV Squamous Cell Lung Cancer: The Lung-MAP S1400I Phase 3 Randomized Clinical Trial(JAMA Oncol. 2021 Jul 15;e212209. doi: 10.1001/jamaoncol.2021.2209.)

×

肺がんの治験・臨床試験広告

リサーチのお願い


この記事に利益相反はありません。