・再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫患者が対象の第2相試験
・Tislelizumab(チスレリズマブ)単剤/併用療法の有効性・安全性を比較検証
・3年長期フォローアップ解析の結果、客観的奏効率87.1%、完全奏効率は67.1%を示した
2021年6月9日~17日、バーチャルミーティングで開催された第25回欧州血液学会議(EHA 2021)にて、自家幹細胞移植もしくは少なくとも2レジメン以上の全身化学療法後に病勢進行または完全寛解を達成できなかった再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者を対象に抗PD-1モノクロナール抗体薬であるTislelizumab(チスレリズマブ、BGB-A317)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03209973)の3年長期フォローアップ解析の結果がPeking University Cancer HospitalのYuqin Song氏らにより公表された。
本試験は、自家幹細胞移植もしくは少なくとも2レジメン以上の全身化学療法後に病勢進行または完全寛解を達成できなかった再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者(N=70人)に対して3週を1サイクルとしてTislelizumab(BGB-A317)200mg単剤療法を投与し、主要評価項目として独立審査委員会(IRC)判定に基づく客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、奏効持続期間(DOR)、完全寛解率(CR)、安全性などを検証した第2相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値33.8ヶ月(3.4~38.6ヶ月)における結果は下記の通りである。主要評価項目である独立審査委員会(IRC)判定に基づく客観的奏効率(ORR)87.1%(N=61人、95%信頼区間:77.0%~93.9%)、奏効の内訳は完全奏効率(CR)67.1%(N=47人、95%信頼区間:54.9~77.9%)を示した。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は31.5ヶ月(95%信頼区間:16.53ヶ月~未到達)、奏効持続期間(DOR)中央値は31.3ヶ月(95%信頼区間:20.73ヶ月~未到達)、全生存期間(OS)中央値は未到達であった。
一方の安全性として、30%以上の患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は発熱57.1%、上気道感染症38.6%、甲状腺機能低下症37.1%、体重増加34.3%であった。また、2人以上の患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は非感染性肺炎、高血圧、好中球減少症、リパーゼ増加、体重増加、クレアチンホスホキナーゼ増加であった。
全グレードの免疫関連有害事象(irAE)発症率45.7%(N=32人)を示し、グレード3以上の免疫関連有害事象(irAE)発症率11.4%(N=8人)であった。
以上の第2相試験の3年長期フォローアップ解析の結果よりYuqin Song氏らは「再発/難治性古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者に対する抗PD-1モノクロナール抗体薬Tislelizumab(BGB-A317)単剤療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を示し、無増悪生存期間(PFS)も長期に渡り改善しました。また長期投与による安全性に関する新たな懸念は認められませんでした」と結論を述べている。
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