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治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんに対するファーストライン治療としてのキイトルーダ+化学療法、全生存期間と無増悪生存期間を延長

[公開日] 2021.07.05[最終更新日] 2021.07.05

6月22日、米Merck社は、治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんのファーストライン治療として抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)+化学療法の有効性と安全性を評価した第3相KEYNOTE-826試験(NCT03635567)において、主要評価項目である全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表した。

子宮頸がんは子宮下部に存在する子宮頸部の粘膜の細胞に発生する腫瘍であり、検診や予防により発生率は低下しているものの、今なお世界中で多くの人が発症しており、2020年の全世界の推定データによると60万人以上が新たに子宮頸がんと診断され、34万人以上が死亡した。米国のデータでは、遠隔転移した患者の5年生存率は約17%と言われている。

KEYNOTE-862試験は、治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの成人患者(N=617人)を対象に、ファーストライン治療として、21日を1サイクルとしてキイトルーダ200mg+治験責任医師が選択した化学療法(パクリタキセル175mg/m2+シスプラチン50mg/m2±ベバシズマブ15mg/kgまたはパクリタキセル175mg/m2+カルボプラチンAUC5±ベバシズマブ15mg/kg)を投与する群と、プラセボ+治験責任医師が選択した化学療法を投与する群に割り付け、比較検討した無作為化三重盲検第3相試験。主要評価項目は全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性など。

KEYNOTE-862試験の中間解析の結果、キイトルーダ+化学療法群はプラセボ+化学療法と比較して、PD-L1の発現の有無にかかわらず全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に延長し、臨床的に意味のある改善を示した。また、安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していた。

また第3相KEYNOTE-826試験は、化学療法による治療中または治療後に病勢進行した、PD-L1を発現する(Combined Positive Score[CPS]≧1、FDAが承認する検査に基づく)再発または転移性子宮頸がん患者の二次治療においてキイトルーダが現在取得している迅速承認の検証的試験としても実施された。

同社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発部門の責任者であるRoy Baynes氏は、「子宮頸がんは、予防や検診が進む一方で、今でも特に若年および中年の女性が発症しやすい深刻な医療上の課題となっています。転移性子宮頸がんと診断された女性の予後は特に不良で、新たな治療の選択肢が喫緊に求められています。KEYNOTE-826試験は治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんへの一次治療としてがん免疫療法の良好な結果が初めて認められた試験であり、当社は今後の学会で結果を発表し、規制当局と協議してまいります。この重要な試験に参加してくださった患者さん、介護者や治験責任医師の皆さまに感謝します」と述べている。

キイトルーダとは
キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体。自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける役割を持つ。日本では、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫など様々ながん種に対して承認を取得している。

参照元:
MSD株式会社 ニュースリリース
ニュース 子宮頸がん NCT03635567

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