6月25日、中外製薬株式会社は、免疫抑制剤であるセルセプト(一般名:ミコフェノール酸 モフェチル、以下セルセプト)について、「造血幹細胞移植における移植片対宿主病(GVHD)の抑制(成人・小児)」を適応症として製造販売承認を取得したと発表した。セルセプトの剤型はカプセルと懸濁用散の2種類で展開される。
GVHDは、同種造血幹細胞移植後に、患者の正常細胞が異物と見なされ、ドナー由来のリンパ球の免疫反応により攻撃を受けることで、皮膚症状、消化器症状、肝障害などを生じる。セルセプトは、海外の診療ガイドラインにおいて、GVHDに対する標準的治療薬のひとつとして位置づけられている。
今回の承認の背景として、セルセプトは2020年12月の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」ならびに2021年1月の「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」において、造血幹細胞移植におけるGVHDの抑制に対する効能・効果について公知申請に該当すると評価され、中外製薬が2021年2月に効能・効果の追加申請を行っていた。また、今回の適応追加については、一般社団法人日本造血細胞移植学会(現:日本造血・免疫細胞療法学会)からも開発の要望が挙がっていた。
参照元:中外製薬株式会社 ニュースリリース