フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病用治療モニタリングマーカー、minor BCR-ABL mRNA測定キット「オーツカ」製造販売承認を取得ー大塚製薬ー


  • [公開日]2021.06.25
  • [最終更新日]2021.06.24

6月18日、大塚製薬株式会社は、minor BCR-ABL mRNA測定キット「オーツカ」について、体外診断用医薬品としての製造販売承認を取得したと発表した。minor BCR-ABLを有するフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の診断補助および治療効果のモニタリングに使用する。

フィラデルフィア染色体は急性リンパ性白血病(ALL)患者に発現する染色体異常のひとつであり、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と化学療法の併用による治療が行われる。フィラデルフィア染色体陽性ALL患者において、完全寛解時やその後の経過を確認する際に、フィラデルフィア染色体の融合遺伝子であるBCR-ABLを用いた微小残存病変(minimal residual disease:MRD)の観察が再発の指標とされ、治療介入において有意義であるといわれている。そのため、BCR-ABLのサブタイプのひとつであるminor BCR-ABLの検出は、診断補助や定期的な治療効果のモニタリングの指標として利用できるものと考えられている。

minor BCR-ABLは、成人ではALL患者の20~30%、小児では3~4%が有していると推定されているが、定量的に把握できる体外診断用医薬品はこれまでなかった。今回の承認取得により、末梢血白血球または骨髄液有核細胞から抽出したRNA中のminor BCR-ABLを高感度かつ定量的に測定することが可能となる。また、急激な病態変化を伴うALLにおいて、治療中ならびに治療終了後の定期的なminor BCR-ABLの測定により、再発の早期発見に繋がり、適切な治療機会の提供に結び付けられると期待される。

急性リンパ性白血病(ALL:Acute Lymphoblastic Leukemia)とは
急性リンパ性白血病(ALL)は、リンパ球が幼若な段階で悪性化し、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症する疾患。平成29年の日本国内における患者数は約5,000人と報告されている。病状の進行が速いため、早期の診断と速やかな治療の開始が求められる。

参照元:
大塚製薬株式会社 ニュースリリース

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン