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高頻度マイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復機構欠損がある転移性大腸がんに対するファーストライン治療としてのキイトルーダ単剤療法、無増悪生存期間16.5ヶ月を示すASCO 2021


  • [公開日]2021.06.22
  • [最終更新日]2021.06.22
この記事の3つのポイント
・高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある転移性大腸がん患者が対象の第3相試験
ファーストライン治療としてのキイトルーダ単剤療法の有効性安全性化学療法と比較検証
無増悪生存期間は16.5ヶ月であり、化学療法の8.2ヶ月よりも延長した

2021年6月4日(金)~8日(火)、オンラインミーティングで開催された第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)にて高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある転移性大腸がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-177試験(NCT02563002)の最終アップデート解析の結果がSorbonne Université and Hôpital-Saint AntoineのThierry Andre氏らにより公表された。

KEYNOTE-177試験は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある転移性大腸がん患者(N=307人)に対するファーストライン治療として3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を最大2年間投与する群、または2週を1サイクルとしてFOLFOX/FOLFIRI±ベバシズマブ/セツキシマブ併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、奏効持続期間(DOR)、安全性を比較検証した第3相試験である。なお、病勢進行が認められた場合、最大35サイクルまでキイトルーダにクロスオーバーすることができた。

本試験のフォローアップ期間中央値キイトルーダ群44.5ヶ月(95%信頼区間:36.0~60.3ヶ月)、化学療法群44.4ヶ月(95%信頼区間:36.2~58.6ヶ月)時点における結果は下記の通りである。また、36%(N=56人)の患者が化学療法からキイトルーダにクロスオーバーしていた。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はキイトルーダ群未到達に対して化学療法群36.7ヶ月、キイトルーダ群で死亡(OS)のリスクを26%減少(HR:0.74、95%信頼区間:0.53-1.03、P=0.0359)を示した。なお、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。

また、無増悪生存期間(PFS)中央値はキイトルーダ群16.5ヶ月に対して化学療法群8.2ヶ月、キイトルーダ群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを41%減少(HR:0.59、95%信頼区間:0.45-0.79)を示した。客観的奏効率(ORR)はキイトルーダ群45.1%、完全奏効(CR)は20名に対して化学療法群33.1%で完全奏効は6名、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達に対して化学療法群10.6ヶ月をそれぞれ示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はキイトルーダ群79.7%に対して化学療法群98.6%、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はキイトルーダ群21.6%に対して化学療法群66.4%を示した。

以上のKEYNOTE-177試験の最終アップデート解析の結果よりThierry Andre氏らは「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)がある転移性大腸がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、無増悪生存期間(PFS)を改善し、有害事象(AE)発症率も低率でした。クロスオーバー率が高いためか、統計学的有意な差は確認できませんでしたが、死亡率を低下させる傾向が見られ、キイトルーダが新たな標準治療となる可能性が確認されました」と結論を述べている。

Final overall survival for the phase III KN177 study: Pembrolizumab versus chemotherapy in microsatellite instability-high/mismatch repair deficient (MSI-H/dMMR) metastatic colorectal cancer (mCRC).(2021 ASCO Annual Meeting,Abstract No:3500)

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