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早期非小細胞肺がんに対する術前化学療法としてのイミフィンジ+定位放射線治療併用療法、病理学的奏効率53.3%を示す

[公開日] 2021.06.07[最終更新日] 2021.06.07

この記事の3つのポイント ・早期非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験 ・術前化学療法としてのイミフィンジ+定位放射線治療併用療法の有効性・安全性を比較検証 ・病理学的奏効率はイミフィンジ+定位放射線治療併用療法で53.3%で、イミフィンジ単剤群に対し有意に改善

2021年5月17日、医学誌『The Lancet Oncology』にて早期非小細胞肺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ、以下イミフィンジ)±定位放射線治療(SBRT)の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02904954)の結果がWeill Cornell Medicine–New York Presbyterian HospitalのNasser K Altorki氏らにより公表された。

本試験は、早期非小細胞肺がん患者(N=60人)に対して3週を1サイクルとしてイミフィンジ1.12g+定位放射線治療(SBRT)8Gy併用療法を2サイクル投与する群(N=30人)、または3週を1サイクルとしてイミフィンジ1.12g単剤療法を2サイクル投与する群(N=30人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として病理学的奏効率(MPR)を比較検証したランダム化オープンラベルの第2相試験である。

本試験が開始された背景として、早期非小細胞肺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬、抗PD-L1抗体薬単剤療法の病理学的奏効率(MPR)は15~45%と良好である。また、定位放射線治療(SBRT)は進行性非小細胞肺がんにおいて免疫調整の役割を果たす可能性が示唆されている。以上の背景より、早期非小細胞肺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ±定位放射線治療(SBRT)の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である病理学的奏効率(MPR)はイミフィンジ+定位放射線治療(SBRT)群53.3%(95%信頼区間:34.3~71.7%)に対してイミフィンジ単剤群6.7%(95%信頼区間:0.8~22.1%)で、イミフィンジ単剤群に比べてイミフィンジ+定位放射線治療(SBRT)群で高率な病理学的奏効率(MPR)を示した(OR:16.0、95%信頼区間:3.2~79.6、P<0.0001)。

一方の安全性として、グレード3~4の有害事象(AE)発症率はイミフィンジ+定位放射線治療(SBRT)群20%に対してイミフィンジ単剤群17%を示し、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の有害事象(AE)は下記の通りである。イミフィンジ+定位放射線治療(SBRT)群で高脂血症が10%(N=3人)、イミフィンジ単剤群で低ナトリウム血症が10%(N=3人)を示した。

以上の第2相試験の結果よりNasser K Altorki氏らは「早期非小細胞肺がん患者に対する術前化学療法としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+定位放射線治療併用療法は良好な病理学的奏効率(MPR)を示し、忍容性も問題ありませんでした」と結論を述べている。

Neoadjuvant durvalumab with or without stereotactic body radiotherapy in patients with early-stage non-small-cell lung cancer: a single-centre, randomised phase 2 trial(Lancet Oncol. 2021 May 17;S1470-2045(21)00149-2. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00149-2.)
ニュース 肺がん NCT02904954

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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