6月1日、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社は、抗悪性腫瘍剤ならびに選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である「ペマジール錠4.5mg(一般名:ペミガチニブ、以下ペマジール)」について、がん化学療法後に増悪した線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)陽性の切除不能胆道がんの治療薬として販売を開始したと発表しました。
胆道がんには胆管に発生する胆管がんが含まれ、胆管がんは肝臓内に発生する肝内胆管がんと肝臓外に発生する肝外胆管がんに大別される希少がんである。特にFGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成は肝内胆管がんに限定的に発生する希少ながんである。
日本では、国内における患者数が5万人未満。メディカル・ニーズが高い疾患の治療薬として開発されている薬剤に対する「希少疾病用医薬品」指定制度があり、ペマジールもその指定を受けていた。
今回の販売承認は第2相FIGHT-202試験(NCT02924376)の結果に基づくもの。FIGHT-202試験は、以下3つのコホートで構成され、全患者に1日1回ペマジール13.5mgを経口投与した。コホートAはFGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成を認める患者群、コホートBはその他のFGF・FGFR遺伝的異常を認める患者群、コホートCはFGF・FGFRの遺伝的異常を認めない患者群であった。また、主要評価項目はコホートAにおける全奏効率(ORR)とした。
インサイト・ジャパン社のジェネラルマネージャーであるローター・フィンケ氏は「今回ペマジールの販売を日本で開始したことにより、この新たな治療選択肢を、FGFR2融合遺伝子陽性で治癒切除ができない日本の胆道がん患者さんにお届けできるようになったことを、大変喜ばしく思います。胆道がんは、治療が難しい希少疾患です。患者さんのアンメット・メディカル・ニーズにソリューションを見つけ出して提供することに注力してきた当社の、日本でのコミットメントを実現した大きな一歩となりました。インサイトおよびインサイト・ジャパンは患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに真摯に向き合い、私たちの画期的な治療薬を必要な患者さんにお届けするため、これからも努めてまいります」と述べている。
ペマジールとは ペマジールはFGFR1/2/3に選択的に強力な阻害作用をもつ経口チロシンキナーゼ阻害剤。1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬を1サイクルとして投与される。
参照元:インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社 プレスリリース