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ニンラーロ、幹細胞移植歴のない多発性骨髄腫に対するファーストライン後の維持療法としての適応拡大承認を取得

[公開日] 2021.06.03[最終更新日] 2021.06.03

5月27日、武田薬品工業株式会社は、「ニンラーロ(一般名:イキサゾミブクエン酸エステル、以下ニンラーロ)」について、厚生労働省より「多発性骨髄腫における維持療法」に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。これにより、幹細胞移植歴のない多発性骨髄腫における維持療法の治療薬として適応が拡大された。

ニンラーロは2017年3月に「再発または難治性の多発性骨髄腫」の適応で承認。2020年3月には「多発性骨髄腫における自家造血幹細胞移植後の維持療法」としての承認を得ている。

今回の承認は、多施設共同国際臨床第3相のTOURMALINE-MM4試験の結果に基づくもの。TOURMALINE-MM4試験は、幹細胞移植歴のない成人の多発性骨髄腫患者(N=706人)をニンラーロ単剤療法群とプラセボ群に割り付け、ニンラーロのファーストライン後の維持療法としての有効性と安全性を比較検証した第3相試験。同試験の結果、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、安全性プロファイルも既知のものと同様であった。

同試験の責任医師である名古屋市立大学病院血液・腫瘍内科医の飯田真介氏は、「TOURMALINE-MM4試験によって、経口プロテアソーム阻害薬であるニンラーロの維持療法が、移植非適応の多発性骨髄腫患者さんに対して進行と死亡のリスクを34%減少させることが示されました。ニンラーロの維持療法は、高齢患者さんにも忍容性があり、二次発がんリスクの増加は認められておらず、臨床病期や初回寛解導入療法の種類などに関わらず再発を遅らせることが期待できる治療選択の一つとなるでしょう」と話している。

また、武田薬品日本オンコロジー事業部長の堀井貴史氏は、「このたび、ニンラーロの従来からの効能である自家造血幹細胞移植後の維持療法に加えて、幹細胞移植歴のない初回治療後の維持療法も追加となり、より幅広い患者さんに本剤をご提供できることを非常に嬉しく思います。日本で多発性骨髄腫における維持療法の効能を有する治療剤は他になく、医療関係者の皆様への情報提供を通じて、この新たな治療法を必要とする患者さんに届けられるように取り組んでまいります」と述べている。

多発性骨髄腫とは 多発性骨髄腫は、骨髄内の形質細胞と呼ばれる細胞が、がん化し骨髄腫細胞となり増殖する疾患。進行すると骨の破壊による痛みや骨折、Mタンパクの産生による腎障害、また造血が妨げられることによる貧血、感染症など様々な症状や臓器障害が現れる。(参照元:武田薬品工業株式会社 ニンラーロ.jp 多発性骨髄腫について)

ニンラーロとは 経口プロテアソーム阻害薬であるニンラーロは、役割を終えて不要になったタンパク質を分解するプロテアソームの働きを阻害することで骨髄腫細胞を死滅させる。(参照元:武田薬品工業株式会社 ニンラーロ.jp ニンラーロについて)

参照元:
武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
ニュース 多発性骨髄腫 プロテアソーム阻害薬

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