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ヘッジホッグ経路阻害薬治療後の局所進行性基底細胞がんに対するCemiplimab単剤療法、客観的奏効率31%を示す

[公開日] 2021.06.01[最終更新日] 2021.06.01

この記事の3つのポイント ・ヘッジホッグ経路阻害薬治療後の局所進行性基底細胞がん患者が対象の第2相試験の一次解析 ・Cemiplimab(セミプリマブ)単剤療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は31%を示し、許容可能な安全性プロファイルを示した

2021年5月14日、医学誌『The Lancet Oncology』にてヘッジホッグ経路阻害薬(HHI)治療後の局所進行性基底細胞がん(BCC)患者に対する抗PD-1抗体Cemiplimab(セミプリマブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03132636)の一次解析結果がAndreas Syggros Hospital-National and Kapodistrian University of AthensのAlexander J Stratigos氏らにより公表された。

本試験は、基底細胞がん患者に対して3週を1サイクルとしてCemiplimab 350mg単剤療法を93週間もしくは予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として独立中央評価判定(IRB)による客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)などを検証した多施設共同の第2相試験である。なお、本試験は2つのコホートに分かれており、コホート1は転移性基底細胞がん、コホート2は局所進行性基底細胞がんで、いずれもヘッジホッグ経路阻害薬(HHI)治療後の患者を対象にしている。

本試験のフォローアップ期間中央値15ヶ月時点におけるコホート2(N=84人)であるヘッジホッグ経路阻害薬(HHI)治療後の局所進行性基底細胞がん患者における結果は下記の通りである。主要評価項目である独立中央評価判定(IRB)による客観的奏効率(ORR)は31%(95%信頼区間:21~42%、N=26人)を示した。

一方の安全性として、グレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は48%(N=40/84人)を示し、最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は高血圧5%、大腸炎5%であった。重篤な有害事象(SAE)発症率は35%(N=29/84人)、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は確認されなかった。

以上の第2相試験の結果よりAlexander J Stratigos氏らは「ヘッジホッグ経路阻害薬(HHI)治療後の局所進行性基底細胞がん(BCC)患者に対する抗PD-1抗体Cemiplimab単剤療法は、臨床的意義のある抗腫瘍効果を示し、許容可能な安全性プロファイルを示しました」と結論を述べている。

Cemiplimab in locally advanced basal cell carcinoma after hedgehog inhibitor therapy: an open-label, multi-centre, single-arm, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2021 May 04; S1470-2045(21)00086-3. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00086-3.)
ニュース 皮膚がん NCT03132636

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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