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HER2陽性転移性大腸がんに対するエンハーツ単剤療法、客観的奏効率45.3%を示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2021.05.20
  • [最終更新日]2021.05.20
この記事の3つのポイント
HER2陽性の転移性大腸がん患者が対象の第2相試験
・エンハーツ単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は45.3%を示し、新たな有害事象は報告されなかった

2021年5月4日、医学誌『The Lancet Oncology』にてHER2陽性の転移性大腸がん患者に対する抗HER2抗体薬物複合体(ADC)であるエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン:DS-8201、以下エンハーツ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のDESTINY-CRC01試験(NCT03384940)の結果がUniversità degli Studi di Milano and Niguarda Cancer CenterのSalvatore Siena氏らにより公表された。

DESTINY-CRC01試験とは、2回以上の前治療歴のあるHER2陽性の転移性大腸がん患者に対して3週を1サイクルとしてエンハーツ6.4mg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性を検証したオープンラベルの第2相試験である。なお、患者はHER2発現レベルに応じて3コホートに分かれ、コホートAは”HER2+、IHC3+またはIHC2+およびISH+”、コホートBは”IHC2+およびISH-”、コホートCは”IHC1+”とした。

本試験が開始された背景として、大腸がん患者の約2~3%でHER2遺伝子増幅が確認されいる。しかしながら、大腸がんに対する抗HER2抗体薬の使用は現在のところ承認されていない。以上の背景より、HER2陽性の転移性大腸がん患者に対する抗HER2抗体薬物複合体(ADC)エンハーツの有用性と安全性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験のフォローアップ期間中央値27.1週時点における結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はコホートAで45.3%(N=24人、95%信頼区間:31.6~59.6%)を示した。一方の安全性として、10%以上の患者で確認されたグレード3以上の有害事象(AE)は好中球数減少22%(N=17/78人)、貧血14%(N=11/78人)を示した。なお、6%(N=5/78人)の患者で肺障害、肺炎(グレード2が2人、グレード3が1人、グレード5が2人)が確認されている。

以上のDESTINY-CRC01試験の結果よりSalvatore Siena氏らは「HER2陽性の転移性大腸がん患者に対する抗HER2抗体薬物複合体(ADC)エンハーツ単剤療法は、持続的で臨床的有効な抗腫瘍効果を示しました。また、安全性プロファイルも過去の臨床試験で確認されているエンハーツの内容と一致しており、本試験で新たに懸念される有害事象(AE)は確認されませんでした」と結論を述べている。

Trastuzumab deruxtecan (DS-8201) in patients with HER2-expressing metastatic colorectal cancer (DESTINY-CRC01): a multicentre, open-label, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2021 May 14; S1470-2045(21)00126-1. doi: 10.1016/S1470-2045(21) 00126-1.)

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