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未治療の局所進行性/転移性尿路上皮がんに対するテセントリク+白金製剤ベースの化学療法、化学療法に比べて全生存期間を改善も有意差は認められず

[公開日] 2021.04.30[最終更新日] 2021.04.30

この記事の3つのポイント ・未治療の局所進行性/転移性尿路上皮がん患者が対象の第3相試験の追加解析 ・テセントリク+白金製剤ベースの化学療法の有効性・安全性を化学療法と比較検証 ・化学療法群に比べて死亡リスクを16%減少したが、有意差は認められず

2021年4月9日~14日、オンラインミーティングで開催された米国癌研究会(AACR 2021)にて、未治療の局所進行性/転移性尿路上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ、以下テセントリク)+白金製剤ベースの化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIMvigor130試験の追加解析の結果がIcahn School of Medicine at Mount Sinai/Tisch Cancer InstituteのMatthew D. Galsky氏らにより公表された。

IMvigor130試験とは、未治療の局所進行性/転移性尿路上皮がん患者に対してテセントリク+ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法を投与する群(Arm A)、テセントリク単剤療法を投与する群(Arm B)、またはプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法を投与する群(Arm C)に無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として安全性を比較検証した多施設共同ランダム化部分盲検の第3相試験である。

本試験の追加解析が開始された背景として、初回解析結果によりプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法に比べてテセントリク+ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法は無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善するも、全生存期間(OS)に関しては統計学的有意な差は確認されていなかった。以上の背景より、本試験の二次解析の結果が公表された。

本試験のフォローアップ期間中央値13.3ヶ月時点における死亡(OS)イベント率は、Arm A群で67%、Arm C群で70%であった。ITT集団での全生存期間(OS)中央値はArm A群16.1ヶ月(95%信頼区間:14.2-18.8ヶ月)に対してArm C群13.4ヶ月(95%信頼区間:11.9-15.2ヶ月)、Arm C群に比べてArm Aで死亡(OS)のリスクを16%減少(HR:0.84、95%信頼区間:0.71-1.00、P=0.026)を示した。

シスプラチン併用集団での全生存期間(OS)中央値は、Arm A群21.6ヶ月(95%信頼区間:17.5-25.4ヶ月)に対してArm C群14.6ヶ月(95%信頼区間:11.7-18.4ヶ月)、Arm C群に比べてArm Aで死亡(OS)のリスクを27%減少(HR:0.73、95%信頼区間:0.54-0.98)を示した。

カルボプラチン併用集団での全生存期間(OS)中央値は、Arm A群14.3ヶ月(95%信頼区間:12.0-16.5ヶ月)に対してArm C群13.0ヶ月(95%信頼区間:10.6-15.2ヶ月)、Arm C群に比べてArm Aで死亡(OS)のリスクを9%減少(HR:0.91、95%信頼区間:0.74-1.10)を示した。

副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はITT集団では、Arm A群48%(95%信頼区間:43-53%)に対してArm C群45%(95%信頼区間:40-50%)、シスプラチン併用集団ではArm A群49%(95%信頼区間:40-57%)に対してArm C群50%(95%信頼区間:41-58%)、カルボプラチン併用集団ではArm A群48%(95%信頼区間:42-53%)に対してArm C群42%(95%信頼区間:36-48%)を示した。

一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はArm A群81%に対してArm C群80%、グレード5の治療関連有害事象(TRAE)発症率はArm A群2%に対してArm C群1%を示した。

以上のIMvigor130試験の追加解析の結果よりMatthew D. Galsky氏らは「未治療の局所進行性/転移性尿路上皮がん患者に対する抗PD-1抗体薬テセントリク+白金製剤ベースの化学療法は、化学療法に比べて全生存期間(OS)を改善するものの、初回解析同様に統計学的有意な差は確認されませんでした」と結論を述べている。

Atezolizumab (atezo) + platinum/gemcitabine (plt/gem) vs placebo + plt/gem in patients (pts) with previously untreated locally advanced or metastatic urothelial carcinoma (mUC): Updated overall survival (OS) from the randomized phase III study IMvigor130(AACR Annual Meeting2021,Abstract CT042)
ニュース 膀胱がん 免疫チェックポイント阻害薬

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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