3月23日、アッヴィ合同会社は、ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス、以下ベネクレクスタ)について急性骨髄性白血病(AML)を適応症として厚生労働省より適応追加承認を取得したと発表した。
ベネクレクスタは、B細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質に対し、選択的に結合し、BCL-2の働きを阻害する。一部の血液がんでは、BCL-2ががん細胞の自然死または自己破壊(アポトーシス)を阻止する。ベネクレクスタはBCL-2タンパク質を標的としており、がん細胞が阻止するアポトーシスの過程を回復させることで抗腫瘍効果を示す。今回のAMLに対する追加承認により、同剤の適応症は、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)に続いて3つ目となった。
今回の適応追加承認は、強力な化学療法が適応とならない、未治療のAML患者を対象とした2つの多施設無作為化国際共同試験の結果に基づくもの。第3相VIALE-A(M15-656)試験は、ベネクレクスタ+アザシチジン併用療法をプラセボ+アザシチジン併用療法と比較検証し、ベネクレクスタ+アザシチジン併用療法は全生存期間と複合完全寛解率(CR+Cri)において統計学的有意に改善した。
また、第3相VIALE-C(M16-043)試験ではベネクレクスタ+低用量シタラビン併用療法をプラセボ+低用量シタラビン併用療法と比較検証し、全生存期間における統計学な有意差は認められなかったが、死亡リスクは25%減少した。
急性骨髄性白血病(AML)とは 急性骨髄性白血病(AML)は、悪性度が高く治療困難な血液がんのひとつ。全世界における患者数は16万人と推定されており、日本における総患者数は、約7000人と報告されている。治療法やケアの進歩にもかかわらず、5年生存率は約28.7%である。日本では、強力な寛解導入療法の適応とならない未治療のAMLに対する標準治療法は限定的であり、低用量シタラビンが用いられることが多い。
参照元:アッヴィ合同会社 プレスリリース