3月12日、協和キリン株式会社は持続型G-CSF製剤であるジーラスタ(一般名:ペグフィルグラスチム、開発コード:KRN125、以下ジーラスタ)について、「同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員」に対する適応拡大の承認申請を3月11日に行ったと発表した。
同種末梢血幹細胞移植は、白血病などの血液がんや再生不良性貧血などの非腫瘍性の血液疾患の治療法の1つ。現在は、移植用の造血幹細胞をドナーより取得するとともに、造血幹細胞を動員する効能を持つ連日投与型G-CSF製剤を連日投与し、投与4~6日目にかけてアフェレーシス(血球成分の分離・採取)を行うのが一般的な治療法である。
今回の申請は、健康成人を対象にジーラスタを用いた際の造血幹細胞の末梢血中への動員効果を評価した臨床試験の結果に基づくもの。同試験の結果は3月14日~17日にオンライン開催された47th Annual Meeting the European Group for Blood and Marrow Transplantation(EBMT、第47回欧州骨髄移植学会議)において発表された。
協和キリンはプレスリリースで「持続型製剤である本剤が本適応へと適応拡大することにより、造血幹細胞移植医療におけるドナーの負担軽減に貢献できるものと期待しています」と述べている。
ジーラスタとは ジーラスタは2014年に発売された持続型のG-CSF製剤。現在は、「がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制」を適応として販売されている。
参照元:協和キリン株式会社 ニュースリリース