3月11日、アムジェン株式会社はKRAS G12C阻害剤であるsotorasib(ソトラシブ、開発コード:AMG510)がKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行/再発非小細胞肺がんに対し、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表した。
SotorasibはKRAS G12Cを阻害する化合物として開発され、現在では10種類の併用療法の検討も含め、世界各国で臨床試験が実施されている。同剤は臨床試験において、KRAS G12C変異陽性の非小細胞肺がんに対して1日1回の内服によって迅速で良好な抗腫瘍効果を示している。
肺がん患者のうち非小細胞肺がんの割合は85~90%であり、KRAS G12Cはその中で認められるドライバー変異のうち最も高い頻度で認められる。米国では肺腺がんの約13%、日本人では非扁平上皮がんの4.5%に認められると報告されている。KRAS G12C変異陽性の非小細胞肺がんの二次治療の転帰は不良であり、高いアンメットメディカルニーズが存在している。
Sotorasibは米国や中国ではBreakthrough Therapy Designation(ブレークスルー・セラピー指定)を受けており、米国をはじめ、EU、オーストラリア、ブラジル、カナダ、英国で承認申請を行っている。アムジェンはプレスリリースにて「可能な限り早くsotorasibを非小細胞肺がん患者さんに提供するべく、世界中の規制当局と協働してまいります」と述べている。
Sotorasibとは Sotorasibは、KRAS G12Cを阻害する化合物。肺がんにとどまらず、複数の固形がんで有望な効果が確認されている。
参照元:アムジェン株式会社 プレスリリース